ぼくが幸せになるまで。

これは、どこのだれでもない僕が幸せになるまでの物語。

僕の容姿は、たぶん何の変哲もない。

イケメンでは全くない。
時折好みな顔だと言われたりする事があるし、親戚に似てるとよく言われる。
間違ってもモデルスカウト等は絶対にされないそんな容姿。
何の変哲もなく、ありがちな顔なんだと思う。

そんな自分と付き合ってくれた女性が10人もいると思うと、如何に自分が話力で生き延びてきたかを思い知らされる。

2年間、現実逃避しながら、先の見えない時間を過ごしていた。そんな10人の中の1人、僕には、3ヶ月だけ付き合った忘れられない元カノがいた。

初めて内面から好きになった彼女だったからかもしれない。
きっと、もうこんな人は現れないと3年は続くと思った3ヶ月が僕の人生には、のしかかっていた。

元カノは同じ大学を出たCAだった。
在学時代は、共通の友人を介して軽く挨拶する程度だったが、社会人になってから地元の親友に信頼出来る友人の友人を紹介していた時に現れたのが彼女だった。

結果的には、そこで彼女が偶然僕を気に入ってくれたおかげで、連絡を取る様になった。
その親友は快く応援してくれた。
丁度仕事の都合で上京したのがそのタイミング。

そこからはトントン拍子だったが、
付き合ってからおよそ3ヶ月、2021年元旦に僕は振られた。
理由はよくあるチリつも。そのさらに一個前の彼女に浮気されて別れた事で、急に終わる事に耐性はあったつもりだったが、相当堪えた。

きっと心の安定剤だった彼女がいなくなる事への恐怖感が多かったのではないかと思う。
そこからは、現実逃避の日々だった。

楽しんでいたのかもしれない。

自分にそんなキャパがあったとは思わないし、社会人になってから上京して完全にお上りさんだった田舎者の僕にとって、ある種一度体験してみたかった類の憧れだったのだと思う。

その忘れられない元カノを忘れる為という明白な言い訳を使って、僕は遮二無二に遊んだ。
ボール遊びや鬼ごっこをしていた訳ではない。
つまり、ワンナイトスタンド。

もう全員の顔や記憶を呼び起こす事もままならない程、色々な経験をした時間だった。

僕の価値観を形作ってきたものが何にせよ、それのおかげで浮気をしないだったり、ある種の誠実さは完備している自覚がある。
結局は、そのお偉い価値観の絶妙な狭間をかいくぐって、自己肯定感を高めていたのだろう。
非常に虚しいことである。

つづく

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