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【専門課程レポート】「連ゼミ」第6期 第4回目講義

こんにちは!次世代まちづくりスクール「連ゼミ」TA(ティーチングアシスタント)の重山です。
7/17(月)に行われた第6期「連ゼミ」の第4回ゼミの模様をレポートします。
今回は、これまでに紹介した4冊の参考書の振り返りから始まりました。

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第4回のゼミのメインテーマは「開放系リノベ」です。
リノベーションした建築とまちや空間との関係性を考えることは重要です。
今回はリノベーション建築とまちとのつながりを生み出す手法や考え方、その効果などを事例を通して学びました。


1.写真はボーッと見ない。自分がスキャナーになったつもりで、脳みそに保存していく。

まずは写真の見方についてのポイントです。

それは何かと言うと「写真はボーっと見ない。自分がスキャナーになったつもりで、脳みそに保存していく」ことを意識することです。連先生は最低1分、見るそうです。じーっと見ることでその写真の中に入り込むことができ、写っていない部分にまで気づくことができます。

空間を読み解くための準備体操として“都市と建築のパブリックスペース”という本の紹介がありました。

この本はオランダの建築家であるヘルマン・ヘルツベルハーが書いた本で、様々な事例が取り上げられています。

ヘルマン・ヘルツベルハーという建築家は、“中間領域”という概念を創出した建築家でもあります。

中間領域というのは、建物の内側と外側の間にあるような空間、あるいは空間と空間が切り替わる間の空間のことを指します。

ちょっとした段差や塀を適切な高さに設定することで、人が滞留できる居場所ができ、人が交流できるきっかけを作ることができます。

その他に、様々な窓辺空間を載せている、塚本由晴研究室の“Window scape”という本が紹介されました。空間に対する解像度を上げる良い参考書だと思うので是非読んでみてください。

今回は木造建築の開放系リノベの事例として6つがあげられました。

その中でも印象に残っているcasacoをご紹介します。

2.事例紹介
◆casaco(横浜/設計:tomito architecture)

https://tomito.jp/projects/casaco

横浜の丘の頂上付近に建つ2軒長屋を改修し、シェアサロン+シェアハウス+ホームステイの滞在先とするプロジェクトの事例です。

ポイントの一つ目は目線で、道に立った時と中に座った時で目線の高さが同じくらいになるように調整しています。二つ目は改修方法で、奥まで見通せるように改修・補強の仕方を工夫しています。

段階的にまちに開き、コミュニケーションが生まれるきっかけを作り出している非常に良い事例です。

3.開放系リノベのポイント

第4回のまとめです。開放系リノベにおいて重要な考え方は、建物とその周辺環境との接点・中間領域をどうやって作るのかということです。

これが重要な理由は、中間領域の創出が人々の振る舞いを誘発し、コミュニケーションの偶発性を高めることにつながり、さらにまちの魅力やエリアの価値を高めることにもつながるからです。

4.ミニワーク

講義の最後に、開放系リノベの視点で、ゼミ生と先生でディスカッションをしました。

その中で「運営者(オーナー)のらしさがでている方がうまくいっている事例が多い」ということを話されていました。

コミュニケーションもまちへの開き方もその人らしいやり方で大丈夫、無理しなくてもいいということを学びました。

5.第4回目を振り返って

建築をまちにひらくといっても、様々な開き方があることがわかりました。ハード面もソフト面も非常に重要なことを学びました。写真の見方も勉強になりました。写真だけでなく、普段から、まちを歩く時でも、今日学んだ視点で空間を読み取っていきたいと思いました。

次回は”参加型リノベ”について学びます。

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