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深山ユウ
2024年2月28日 11:17
「いやー。社交辞令のつもりだったんだけど、まさかほんとに誘ってくるとは思わなかったよ」 先輩がそう言ったのは、居酒屋の飲み放題コースも終盤になった頃だ。 俺の向かい側に座っている先輩はだいぶ酔っているようで、瞼がほんのり赤くなってなかなか視線が合わない。 先輩とは職場で軽く挨拶を交わす程度の仲だったが、先日、たまたま帰り際に世間話をし、「いつか飲みにでも行こうぜ」と誘われたので、その日の夜
2024年2月23日 14:06
前回の話 莉奈が潤也にフラれたらしい。その報告を聞いたのは、大輝の部屋でだった。 その日は、記念日を忘れていたお詫びに大輝が手料理を振る舞ってくれると言ったので、私は仕事が終わってから真っすぐ大輝が住むアパートに向かった。「記念日のことは気にしなくていいから」と何度も大輝に言ったのだが、私はそれなりに楽しみにしていた。というか、かなり楽しみだった。大輝の手料理を食べるなんて初めてだ。 でも
2024年2月20日 23:50
前回の話 私と大輝が初めて出会ったのは、恋活のパーティーだ。婚活ってほど重たいわけでもないけど、恋愛相手を探しているから、それなりにみんなが真剣。男性と女性が10人ずつ集まって、立食パーティー形式で行われた。 だけど、私は最初から大輝のことを狙ってたわけではない。素敵な人がいるな、とは思っていた。誰とでも気さくに話して、聞き上手。見た目も平均以上。 でも、大輝はたくさんの人に囲まれていたし
2024年2月18日 14:05
前回の話 大輝と莉奈を引き離したい私の思惑とは裏腹に、大輝はますます遠慮が無くなっていた。飲み会で4人が対面したことをきっかけに、私の前で莉奈の話をしてもオッケーだと勝手に解釈してしまったらしい。おかげで、私と大輝のメッセージのやり取りには、莉奈の名前がずらりと並んでいる。試しにメッセージ内の検索機能を使って莉奈の名前を数えてみたら、私の名前よりも莉奈の名前の方が多くて悲しくなるだけだった。何