ドライヤーとアラフォーの白髪

赤ちゃんの髪が短かった時は自然乾燥だった。
最近のびてきたので、ドライヤーをすることに。
ドライヤーは夫の役目。
赤ちゃんの髪を乾かした後は、私の髪も乾かしてくれる夫。

映画やドラマで憧れるシーン

“となりのトトロ”でお母さんがさつきの髪をとかすシーンがある。メイちゃんは二の次にして、普段母親がわりをしてるさつきちゃんが子どもとして甘えられるシーン。
映画や漫画などで時々母親が子どもの髪をとかしたり乾かすシーンがある。
何気ない日常。
“日常”の象徴として描かれる、ということは、母親が愛を注ぐ我が子に対して、なんてことのない当然の行為なのだろう。
……私はそれに憧れていた。

面倒くさそうに娘の髪を結ぶ毒母


私の実母が私の髪を乾かしたりとかしたりなんてあったっけ?
あるにはある。
でも、思い出すと悲しくなる。
私は母親に触れたかったので、「お母さん髪結んで!」と中学生の時甘えていた。
校則があるので、髪は結わないといけないので、母親も髪を結ってくれるだろうし、母親大好きな毒姉もこればっかりは止めないだろうと考えた。
母親は毎朝面倒くさそうに髪を結んだ。
思い出すのは、私の髪を適当に結んで、結んだ髪をポイッと投げつけたこと。
本当に嫌そうだった。
それでも私は毎朝母親に髪を結ってとせがんだ。
(そういえば、同級生に“マフラー巻いて!”としょっちゅう甘えていたな……)

夫がドライヤーをするのが最近の日課



大人になった今、夫がクシを使って乾かしてくれる。面倒くさそうではなく、美容師さんのように真剣にドライヤーをする。
「ほら!かぼちゃの髪サラサラになったでしょ!」と言ってくれる。

昨日は「かぼちゃに言ってないことがあるんだけど…」と深刻そうな夫。
「私のことを深く愛してるよって言いたいのかい?」と茶化す私。
夫は「うん。だから、言ってなかったけど…」

――白髪、結構あるよ。――

私「!!!」
私はこれまで1度しか染めたことがなかったので、白髪知らずだった。
妊娠したくらいから、おでこ付近にチラホラ生えるようになったので、よく注意深くおでこ付近に白髪を探していた。
夫にも「白髪が生えていたら、教えてね」と言っていた。
それが、自分では見えない後ろの方に生えていたようだ!
「どこどこ?抜いて!“抜いたらダメ”って言うけど、抜いて!早く言ってよ~!」とお願いすると、なんとも真っ白な白髪が2本。
私がショックを受けるかと思い、夫は言わずにいたらしい。

「そうか、私もついにアラフォーか。白髪なんて自然なことだもんな。むしろ、年齢的には白髪は少ない方だから、よく健闘したよね」と受け入れた。
私もどんどん、“オカン”になってるんだなぁ。

“母親”よりも“女度”が強い毒母


母親はよく「気分は女子大生でとまってる♪」とよく言っていた。
母親は定期的に美容室も行くし、シーズンごとに洋服(ブランド)を買い集める。
「入院しててもメイクするって大事だよ!」と言っていたほど。
洗面所には母御用達のヘアスプレーがあった。
「お母さんて良いニオイだね!」とよくほめていたほど、小さな頃からヘアスプレーをしていた母。
あれ?私のヘアケアはしたことないよね?

今にして思えば、“母親”よりも“女”が強かったのだろう。
母親は白髪があっても普通な年齢なのに、「白髪あるよ」など言うと、すごく気にしていた。
一度、他人に「白髪で真っ白!白髪ひどいね~老けたね~」と言われたそうだが、泣いて帰ってきた。
その他人もおかしいのだが、今にして思うと母も母だな…。
その時、45歳くらいだったはず。
白髪があっても普通な年齢だし。

樹木希林さんの言葉


樹木希林さんを追う番組で、「このシワがいいのにねぇ」と言っていた。
ご自身のシワを、“味が出て、普通のおばあさん役もできるわ”的なニュアンスだったと思う。
それを見た当時は私は30歳を過ぎたくらいかな。
その言葉がやけにスッと入った。
それから、ムリをしなくなった。
20代のシワやたるみ知らずのピチピチ肌でなくなって、ほうれい線が出てきても、おでこにシワが入ってきても、シミが増えても、“これもいっか。普通のお母さんになってる証拠!”と思ってある。
私の母親は、着飾ることに命を懸けた派手な母親だったので、よく目立った。母性も少ないし。
私は同級生達の、普通のお母さんが羨ましかった。普通の年相応のおばさんで普通に優しく普通に子どもを全力で愛している、そんな同級生のお母さん達がすごく羨ましかった。
私もそうなっているのなら、本望だ。


私のなりたい母親像


今のお母さんお父さんて若い。
どの年代も若々しい方が多い。
“ちびまる子ちゃん”や“あたしンち”の母親は、もはや昔の母親像であろう。
(ちびまる子ちゃんもあたしンちも大好きです。けらえいこ先生本人もかわいらしくて大好きです。)
今は、普通のお洋服もデザインがおしゃれだからか、本当に皆さん若々しい。
もちろん、美意識の高いモデルさんみたいなお母さんもいるけれど。
なので、私もそれなりに若々しくはありたいけれど、普通の服を着て、普通に世間とやっていける、普通のお母さんになることが理想だった。
今の私は、夫の親戚のお下がりの服を着ている。ちょっとかわいらしいデザインのワンピースもあるのだが、「お下がりだし、着ちゃお」と年甲斐もなく着ている。
デニムにシャツの時もあり、“派手じゃない普通の格好”をできていることが嬉しい。

かつての私は、全身ブランドまみれだったため、どこへ行っても悪目立ちをしていたから…。
そんなブランドまみれな感覚だと、生活水準を落とすことは難しいのだ。
けれど、私は成功!
普通の人のお洋服や鞄を身につけている。
時々「あ、それ○○のブランドだね」と言われることがあるが、「あはは!頂き物なんですよ~」と正直に答える。
そんな自分が好きだ。

我が子に望むこと

我が子には“普通の感覚”であってほしい。
普通にお友達と仲良くできて普通の学校に行って、普通の金銭感覚。
とにかく、“普通”であってほしい。
何事においても、普通が1番難しいのだから。




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