「学習指導⑧粘り強い取り組み」とは
観点別学習状況評価の観点の一つである、「主体的に学習に取り組む態度」。
「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」 (中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会)において,
この「主体的に学習に取り組む態度」には、学習に対して粘り強く取り組んでいるかという側面と、自らの学習を調整しようとしているかという側面があるとされています。
今回は「粘り強く取り組んでいる」姿とは何か考えてみました。
以下の6つの状態について詳しく述べます。
・「飽き」と戦えること
・前向きに取り組めること
・諦めず継続すること
・さまざまな方法を試せること
・他者と協働して解決に向かっていること
・改善して、磨き上げようとしていること
①「飽き」と戦えること
新しいノートを使うときに、「このノートはきれいに書いていくぞ!」と心が踊るように、
新しい活動には興味・関心を高くもって取り組めるものです。
そして、次第に「飽き」が出てくるのも当然のこと。
「飽き」が出てくると、学習に対する取り組み方が雑になったり、サボりが出てきたりします。
その「飽き」と戦い、取り組み方の質を下げずに、丁寧さや慎重さを保ちながら取り組み続けることも粘り強さなのではないでしょうか。
②前向きに取り組めること
テストが返却されたとき、点数にだけ目がいって、思っていた点数ではないことにがっかりするだけになってしまう子どもがいます。
その傍らで、すぐに直しに取り掛かり、問題を解き直したり、模範解答と自分の答えを見比べる子どももいます。
間違えたことに心を痛めながらも、直しをする意味を理解し、次のために前向きに学習に取り組んでいる。
置かれた状況が悪くても、前に進む道を決めて、目の前のことにこつこつ向かっていける姿も粘り強さなのではないでしょうか。
③諦めず継続すること
「できない」に直面すると、諦めて、そこでやめてしまうことがあります。
壁にぶつかったときに、投げ出さずに続けられること。
また、小さな積み重ねは、目に見えにくく、成長を感じにくいものです。
すぐに効果が表れないからとやめるのではなく、継続して地道に続けられることも粘り強さなのではないでしょうか。
④さまざまな方法を試せること
ある方法を試して、そのやり方ではうまくいかないこともあります。
そのときに、それだけでやめてしまったり、思考を止めてしまったりするのではなく、
別の方法を考えたり、異なるアプローチの仕方をしたりして、試行錯誤しながら課題に向かえることも粘り強さと言えるのではないでしょうか。
⑤他者と協働して解決に向かっていること
ときに、ひとりでは解決できない壁にぶつかることがあります。
そのときに、友達と協働し、アドバイスし合ったり、指摘し合ったりしてよりよい状態を目指そうとするとことも粘り強さなのではないでしょうか
⑥改善して、磨き上げようとしていること
自分で考えた解き方や、作品などに対して、「できた」ことだけに満足してしまうのではなく、
「よりよいもの」を目指して、改善する点はないか考えたり、足りない部分がないかに注目し、磨き上げようとすることも粘り強さと言えるのではないでしょうか。
粘り強く学習する取り組む状態は、さまざまなものがあると思います。
「主体的に学習に取り組む態度」は、子どもの内面に迫らないと見取ることのできない観点であるからこそ、
教師はその状態を達成した姿を明確にイメージしていたいですね。
今日も心に余裕をもっていきましょう^ ^