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少しずつ伝わる 広がる

少し前、こちらのラジオを聴いていたら、「あなたにとって幸せとは」という路上インタビューが流れてきた。

家族といる時間、夜お酒を飲むとき、仕事、などなど色んな答えが返ってきたけれど、1人、声から想像すると70歳前後の女性から
「あちこちで憎悪の戦争が行われているのに、幸せなんか感じられるわけないでしょ?」
という回答があった。

そもそもどうしてそんな質問するの?という皮肉とも取れたし、こんな世の中なのに幸せに感じる瞬間がある人がいること自体が信じられない、という彼女の意見の押し付けにも聞こえた。

たった数秒流れてきた彼女の答え方に、嫌な気持ちになった自分がいた。
彼女の家族や近所、友人達はこのエネルギーを受けて過ごすんだろうかと思うと気分も沈んだ。

世界のあちこちで悲しいことが起こっていることは事実だが、それは私には変えられない。
天変地異のみならず、人間の起こしている戦争でも、私1人で終了させることはできない。

ただそれを、何もしなくていい、だからネガティヴな気を周りに振り撒いていい理由にはしたくない。

バスから降りる時に、運転に集中している運転手さんには気が付かれないかもしれないけど「ありがとうございます」と言いたい。
もしかして聞こえていて、それがもし、少し前にストレスのあるルートで運転手さんに起こっていた嫌な気持ちを、ほぐすことになるかもしれない。

チューリッヒのスーパーでレジを打つ人たちは、不機嫌に見える人、実際不機嫌そのものの人が多いが、最後に「良い1日を」と私が言うことで、すぐに私に笑顔で答えが返ってくることはないかもしれないが、何だか時間に追われてイライラしていたその人がふっと一息ついて、次の客に穏やかに対応できるかもしれない。

そういった種は日常撒いていたいと思う。

電車の中でぐずる子供をあやす親御さんに、微笑みたい。

園児が帰宅途中、道端の何かに気を取られていて私は眼中になくても「こんにちは」と言って、「私は君の味方です」というエネルギーを渡してあげたい。

そういうことは私1人の力で、充分できる。

(見出し画像 名前は知らないけれどもほんのりした色味が美しい)

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