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140字小説『蕩ける』

あなたの声は私の肌を伸ばす。
どんなに汚く罵りの言葉でも。
「君の腹の中に溜まってる悪意は最低だ」
そう。
そうね。
私の奥にあるドス黒い渦。
意地悪で貧しい感情。
「そんな思いを抱えて、よく生きてられる。尊敬するよ」
軽蔑の笑い。
ああ、もっと。
もっと激しい言葉を頂戴。

肌が溶けてゆく。

とろけ、る。

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