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TSMC工場完成

NVIDIAを先頭に、半導体産業が盛り上がりを見せています。一方で、日本においても、TSMCの新工場が熊本に完成しました。この重要な出来事により、熊本の経済は劇的に成長する見込みです。驚くべきことに、2021年から2030年までの経済効果は、10兆円にも達するとされています。

さらに、この動きは地方創生にも寄与し、観光以外での日本の持続可能な発展の一例となるかもしれません。このようなニュースは心を躍らせるものです。

変わる熊本、シリコンアイランドへ

台湾積体電路製造(TSMC)の日本国内初の工場が熊本県に完成し、2024年2月24日に開所式が予定されています。約1兆円の投資を受け、日本政府からの大規模な補助もあり、家電から自動車に至る幅広い用途向けの汎用ロジック半導体を生産するこの工場は、九州を再び「シリコンアイランド」としての地位を確立するための重要な一歩となります。TSMCだけでなく、ソニー、デンソー、トヨタ自動車も出資しており、その影響は九州全域に及んでいます。

この工場の設立は、周辺地域にも大きな変化をもたらし、地価の上昇、交通インフラの充実、さらには熊本空港を含む周辺アクセスの改善が進んでいます。TSMCの進出は、他の半導体関連企業の設備投資も促進し、九州経済圏全体での経済効果は2021年から2030年にかけて20兆円に達する見込みです。TSMCは、熊本県内に第2工場の建設も発表し、これにより生産能力はさらに拡大する予定です。

TSMCとは?

TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company、台湾積体電路製造株式会社)は、1987年に設立された台湾の企業で、世界最大の独立系半導体ファウンドリ(受託生産企業)です。同社は、顧客が設計した半導体チップの製造を専門に行い、その技術力と生産能力は業界内で高い評価を受けています。TSMCは、先進的なプロセス技術を用いて、スマートフォン、コンピュータ、自動車、家電製品などに使用される半導体チップを製造しており、その製品は世界の電子デバイス市場で広く利用されています。

TSMCの成功は、高度な技術開発、大規模な投資、そしてグローバルな顧客基盤に支えられています。同社は、積極的な研究開発投資により、半導体製造技術の最前線を走り続けており、7ナノメートル(nm)や5nmといった先端プロセス技術の商業量産を世界で初めて実現した企業の一つです。

アジアで最も時価総額が高い企業として、TSMCはその地位を固めています。これは、世界的な半導体需要の増加、特にスマートフォンやクラウドコンピューティング、人工知能(AI)技術の発展に伴う需要の高まりが背景にあります。TSMCの高い市場評価は、その技術リーダーシップ、安定した供給能力、および半導体産業の成長に対する重要な貢献を反映しています。

このように、TSMCは技術革新の先駆者であり、その事業活動と成果は世界の電子産業における重要な役割を果たしています。同社の成功は、アジアのテクノロジー企業がグローバルな影響力を持つことができることを示す象徴的な例となっています。

日本最大クリーンルーム稼働へ

TSMCの熊本第1工場が24日に開所式を迎えます。この工場には日本最大級のクリーンルームが設置され、約1兆円が投資された巨大施設です。春には製造装置の最終搬入が行われ、年末には製品出荷が開始される予定です。また、第2工場の建設も予定されており、熊本が新たなシリコンアイランドとしての地位を確立しようとしています。

クリーンルーム内では、厳格な空調管理のもと、作業員が手作業で半導体製造装置を搬入します。第1工場では、国内外の新品装置に加え、台湾の既存工場からの装置も使用されます。約1700人のスタッフが、月間約55,000枚の汎用ロジック半導体の生産を目指しています。

24日の開所式には、日本政府や台湾当局の高官、TSMC創業者の張忠謀氏の出席も期待されており、日本の半導体産業にとって重要なイベントになります。第2工場が完成すれば、生産能力は月間10万枚に拡大し、地元経済への影響も一層大きくなる見込みです。熊本の町役場では、成長を続ける町として、さまざまな計画が進行中で、TSMCの進出が地域経済を大きく変える可能性を示しています。

日本は理想的な場所

TSMCの熊本工場に対する進捗と日本での活動が高く評価されています。TSMC CEOの魏哲家は熊本工場建設の素早い進行を特に称賛し、この成功を日本の努力の証としています。TSMC創業者の張忠謀も日本を半導体製造にとって理想的な場所と見なしており、土地、水、電力の豊富さと良好な労働文化を理由に挙げています。これまで海外生産に消極的だったTSMCですが、経済安全保障の観点から拠点分散が促され、日本と米国が新たな生産拠点として選ばれました。米アリゾナ州の工場は労働力確保の問題で生産開始が遅れている一方、熊本工場は予定通りに進行しており、日本でのさらなる展開が期待されています。

世界的企業で働ける!

TSMCの日本進出をきっかけに、日本では半導体産業への投資熱が高まっています。台湾のPSMCや韓国のサムスン電子を含む外資系企業も日本に積極的に投資しており、合計約2.5兆円の投資が行われ、日本政府は約8500億円を補助しています。これにより、雇用創出や人材育成などの波及効果が期待されています。米マイクロン・テクノロジーは広島工場で若手技術者を積極採用し、国内半導体産業の再興に向けた動きも見られます。さらに、トヨタ自動車を含む12社が半導体技術研究組合「ASRA」を設立し、日本独自の半導体設計開発を目指しています。TSMC進出は、日本経済全体を底上げする半導体産業振興の起点となっています。

TSMC熊本、供給網強化の第一歩

台湾の国家発展委員会トップ、龔明鑫氏は、24日に開所するTSMCの熊本工場を、世界のサプライチェーンを強化するための重要な第一歩と評価しています。彼は、これまで日本の製造装置や材料メーカーが台湾へ投資していた関係が、今回の台湾企業による日本への大規模投資として反映される点に大きな意義があると強調しました。また、米中対立や新型コロナウイルスによる供給網の混乱を踏まえ、台湾と日本に半導体生産のエコシステムが存在することが、供給網の強靭化に非常に効果的であると指摘しています。龔氏は、日本政府が誘致に向けて示した決意、補助金の支給やインフラ整備を高く評価し、さらなる日台協力に意欲を示しています。

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