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【富士山お中道の植物観察日記】 2023年7月5日

富士山お中道のリアルタイムな植物のようすを掲載します。

山開きを迎えた富士山

富士山吉田口登山道は7月1日に山開きでしたが、まだ梅雨空が続いていて、夏空はもう少し先です。
新緑の季節から1か月が過ぎ、落葉樹の緑は濃く、花をつけていた木々では果実(堅果、球果など)が充実してきました。


ハクサンシャクナゲが咲き始めました

お中道では、梅雨明けの頃から8月初めにかけてハクサンシャクナゲの花の見頃を迎えます。今年は当たり年のようで、花芽を多くつけていて、楽しめそうです。

花の咲いたハクサンシャクナゲ

落葉樹のようす

先月はまだ新芽が出たばかりで葉の色も薄い緑色だった落葉樹(ミヤマハンノキ 、ダケカンバ、カラマツ)は、色濃くなっていました。

落葉樹のカラマツやダケカンバ
ミヤマハンノキの雌花は堅果となり、雄花はすでに枯れていました
ダケカンバの堅果
カラマツの球果はすっかり充実し、マツヤニに保護されていました。


常緑針葉樹のようす

常緑針葉樹(コメツガ、シラビソ)も、新葉が色濃くなりつつあります。

コメツガの球果も大きくなってきました。 雄花の痕がみえます。
シラビソは、1か月前にはまだ芽でしたが、新葉がすっかり展開しました。

シラビソは、雌花・雄花が木の頂端付近につきます。

シラビソの頂端付近

マツ科針葉樹は風媒花なので、頂端にあることで、花粉が飛ばされやすく、また受粉しやすいと考えられます。秋には大きな球果になります。

シラビソの雄花
シラビソの雌花


足元に目を向けると・・・

花の開花リレーが始まっています。これから様々な花を見ることができる季節です。

草本の中では最初に花をつけたフジハタザオは種子をつけていました。
オンタデの花は満開に近くなっていました。
イタドリの葉は緑になり、蕾がみえてきました。 1か月前の様子と比べてみて下さい。


林床や林縁でも草本の花が咲き始めました。

ベニバナイチヤクソウ
コケモモ
秋には赤い実をつけます。
タカネバラ
富士山では数少なく、なかなかみつかりません。


前回(先月)のようすはこちら↓



富士山お中道を歩いて自然観察」の連載はこちら↓

「富士山お中道の生物図鑑」の連載はこちら↓


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