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「コンサル一年目が学ぶこと」を読んだ感想

概要・所感
本書は元アクセンチュアのコンサルタントだった著者が1年目の社会人が学ぶべき普遍的なスキルやマインドを紹介したものである。表題の通り本書は「コンサル流1年目の教科書」であるが、対象者はコンサルに限らない。1年目から成果が求められるコンサルはハイレベルな教育が施され、それは広く社会人1年目にも有用である。本書では以下の4つの観点から
1、話す技術
2、思考術
3、デスクワーク術(メモ・エクセル・パワポなど)
4、マインドセット
ハイレベルな社員になるためのコンサル流アドバイスを書いている。実際、ロジカルシンキングや仕事への向き合い方(プロフェッショナルマインド)は、どの企業においても通用する教えであると感じた。

学び
コンサル流1年目の教科書の中でも特に印象深かったのは新入社員だからこそ「ファクトで語ること」が重要であるという教えだ。情緒を使った説得の手法は、経験豊富なベテラン社員に一日の長がある。だからこそ、新人は数字やファクトを適切に用いることで渡り合っていく必要性がある。意見は封殺されるが事実は封殺できないからである。「感情的な批判でなく、建設的な提案」を意識することが重要である。感情より論理を優先し、事実と解釈を分けて考え、伝える必要がある。また、相手の期待値を見極め、確実に超えることも合わせて行いたい。

常に目的思考で行動することを徹底することも重要である。課題はなにか、どうすれば解決できるかを起点に、仮説と検証をハイスピードで回転させる。取り組むべきイシューを見極め、作業の生産性をあげるためのスキルセットやフレームワークを用いることも、「Quick and Dirty」で60点を3時間で出し、高速でPDCAを回すことも全ては目的遂行に帰結する。99点に1点を加えることは投資時間対効果で考えた際に合理的でない。100点にする必要があるのかを立ち止まって考える合理的な視点が必要であると感じた。

最後に、プロフェッショナルであるというマインドが重要だと感じた。消費者でなく生産者であるという自覚の元、クライアントの満足をコミットメントの対象に据え全力を尽くす。決してコミットメント先を上司に褒められる/怒られないにすべきでない点では、「転職の思考法」での市場を見るか上司を見るかでその人の市場価値が決まるという話に通じると感じた。また、プロフェッショナルとなるためには、尊敬できる師匠を見つけ、ひたすら守破離の守に徹することが大事である。なぜなら、プロフェッショナルはコモディティ化した知識でなく暗黙知であるためだからだ。

今後に向けて
1、コモディティ化している知識を叩き込む
生産性に直結するため、エクセルやパワーポイント・議事録の書き方は習得したい。作業でなく知的生産に時間を割くことができるであろう。また、ビジネスマナーなど周辺要素で減点されないよう、しっかり対策すればできることは早めにできるようにしたい。

2、コンサル式の伝え方・考え方を習得する
ロジックツリーなどMECEな思考法、イシューを見分ける視点、雨雲傘のストーリーライン(事実と解釈と行動)、ファクトベースの伝え方は、事業会社の新人にとっても確実に有効である。こちらも学習し、実践する中で自分のものにしていきたい。

3、師匠を見つけ、プロフェッショナルになる修行をする
いち早く学生気分からプロになるために、クライアントや仕事へのコミットメントを高める。また、師匠を見つけ師事し盗めるものを盗みつつ、フォロワーシップを発揮し、自分のバリューを確立させたい。

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