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WKB53(AT限定)vol.20

すべての道は鴻巣に通ず

教習所を卒業して1週間後。
旅立ちの朝はすばらしい快晴。

いよいよ、埼玉県(で免許に関わる)民の
最後の巡礼の地、
鴻巣免許センターを目指すのだ。
"立地が行政罰"とか"地の果て"とか
いろんな噂は聞いていた。
けどいざ行った感想を率直に言いますと、
そこまでか?と。
うちの方からだと、電車の乗り継ぎはあっても
うまくいけば始発もあるから楽だし
鴻巣駅からのバスもいっぱい出てる。
かといってまた来るのは面倒なので
この1回で受かりたいけど。

最寄りから予定よりちょっと早い電車に乗れたら
どんどん早まって1時間前に着いてしまった。

早く着きすぎたなあ、お茶でも飲もう。と
目の前の公園でぼんやり座っていたら
免許センターの正面玄関に人の列が吸い込まれていくのが見えた。
慌てて行ってみたら窓口にはもうすでに
並んでいる人たちが。
年間の混雑予想カレンダーで調べて
空いている6月の、さらに空いている曜日を選んで今日にしたのに。
しかしどんなに人が並んでいようが
受付は8:30からだ。お役所だからね。
列が動きだし流れ作業のように手続きが始まる。

一旦試験会場に入ったら、水分を取ったり
トイレに出ることはできない。
でも、早め早めに動かないと何があるかわからないので、受付を済ませてしまう。
その判断は正しかった。
入口で渡された受験番号は10番。
端から座るので早い番号は窓際の席。
のちにどんどん人が増えて
混んできても、いくらか快適だったから。

試験開始まで自習はできるけど
スマホは禁止です。
ちょっとかさばるけど
問題集や教科書、ノート一式を持ってきてよかった。

50分の試験が終わり、合否発表を待つロビーは
大変な混雑である。
今の時期でこれなら3〜4月なんてどれほど?
結果発表〜(約40分押し)は、モニター。
みんなスマホを構えて画面が変わる瞬間を待ってる。アツい。
私は目視で自分の番号をみつけた。合格。

試験の部屋に戻って、採点結果の紙をもらった。
98点だった。
教習所でもらった問題集とか、ネットの模擬試験は手当たり次第解いていたので、問題のパターンはある程度記憶していたし
教習所での仮免学科試験もだけど、正直
そんなに身構えたほどには難しくなかった。
だが2問だけ、今までまったく見たことがない問題が出た。
あとで、そのうち1問は引っかけだったな、やられたな。と気づいたが…
もう1問は結局わからなかった。
だからその2問だと思う。悔しい。

そのあとは交付の手続きいろいろ。
小刻みに部屋に戻され、食事をする時間がない。
私は空腹には耐えられないタイプだ。
免許証の発行を待つ時間になり、やーっとまとまった空き時間ができた。もう3時だよ。
1Fの食堂にダッシュ。
さっき同じ部屋にいた人が、もう先にいて食券買ってた。早い。
蕎麦湯もないのにおそばを汁まで飲み干し完食。

交付も時間より遅れていた。
でももうお腹は満たされたので、
のんびり窓の外の試験場を眺めて待つ。
免許センターのいわゆる一発試験の合格率は
一説には5%とか言うけれど、どうなんだろう。
あ、S字やってるー。私はもう2度と、やらないけどね。

やっと、自分の免許をもらって愕然とした。
いや写真がさ。
よくTVで芸能人が、自分の免許の写真をネタに
変、とかこれはひどい!とか笑いにしてる。
全然盛れたりしないから、みんな人相悪くなってて。そういうの見てたし、
もちろん自分の顔では、いい仕上がりなどあり得ないことは想定していたが。
うーん、すごい斜め上のひどさ。
なんて言うか、とにかく思っていたのと違う種類の犯罪者って感じだ。
これと3年間付き合うのか。

でも、やっと終わった。と同時に
「車を運転できる」自分が始まった。

53歳と20日の若葉マークを、古いワゴンに貼り付ける。
今の家に住むことが決まった当時、車のことなど何もわからない私が
「四角い車がいい。平べったいのは嫌だ」と気に入って、内装も好きなものにしてもらって買った車。
今も好みは変わらない。
だからセダンタイプの教習車は好きじゃなかった。

まさかこれを自分で運転する時が来るなんて想像もしていなかったけど。
だからこそ寿命が来るまで乗り継ぐべきと思っている。

これからはたくさん働いてもらうつもりだから
まだまだがんばっておくれよ。

可愛いけど大きすぎて、持ち歩くには不便だったダッフルバッグもやっと活用できる。
これをトランクに放り込んでいろんなところへ行く。

あと、大好きな本がくれるときめきも
いつも私を支えてくれました。

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