一輪の悪魔(名前⑤)
中には、ハウステンボスのオリジナルスノードームが入っていた。
「綺麗だな」
見とれて思わず声が漏れた。
そんな僕を見て
「たっくん。これから離れ離れになって寂しくなったり、落ち込んだり、会いたくなったらこれを眺めて私を想像してほしいな。ずっと前に、たっくん言ってくれたよね。私達なら乗り越えられるって。だから、寂しいけど頑張ろうね。大好きだよ」
乙葉は、遠距離恋愛をする覚悟ができたんだなと感じた。強いなと思ったと同時に、涙を堪えているのも分かった。
「ちょっとトイレ行ってくるね」と席を立った乙葉の後ろ姿は、少し寂しそうだった。
僕はベッドに横たわり、スノードームのキラキラを眺めていた。
ガチャっとトイレのドアが開き、
「たっくん」
と乙葉が僕を呼んだ。
スノードームをベッドサイドに置き、僕は乙葉の方に目をやった。
そこには、セクシーなランジェリーを身にまとった乙葉の姿があった。
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