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★直訳聖書006「創世記」3.2

The LORD God said to the serpent,
神は蛇に言った

“Because you have done this, cursed are you above all livestock and above all beasts of the field;
「やっちまったな、すべての家畜とすべての野の獣の中で呪われた存在

on your belly you shall go, and dust you shall eat all the days of your life.
死ぬまで腹ばいで進み、土ぼこりを食べて生きることになる

I will put enmity between you and the woman, and between your offspring and her offspring;
今後お前(蛇)と人間の女はいがみ合うようになり、その子孫同士もいがみ合う

he shall bruise your head, and you shall bruise his heel.”
人間はお前の頭を打ち、お前らは人間の足を噛む」

To the woman he said,
神は女に言った

“I will surely multiply your pain in childbearing; in pain you shall bring forth children.
「出産のときの痛みを増やすことにしたよ、痛みの中で子を産むがいい

Your desire shall be contrary to your husband, but he shall rule over you.”
お前の望みが旦那には受け入れらず、男の支配を受けよう」

And to Adam he said,
神はアダムに言った

“Because you have listened to the voice of your wife and have eaten of the tree
「嫁の言うことを聞いたばかりに、お前は食べてしまった

of which I commanded you, ‘You shall not eat of it,’
食べてはならんと言った木から

cursed is the ground because of you; in pain you shall eat of it all the days of your life;
お前のせいで大地は呪われ、死ぬまで食べることに苦労するだろう

thorns and thistles it shall bring forth for you; and you shall eat the plants of the field.
お前が食べようとする野の植物には、いばらやとげが生え

By the sweat of your face you shall eat bread,
顔に汗を流してパンを食べることになる

till you return to the ground, for out of it you were taken;
お前が地面に還るその日まで、お前はそこから生まれたのだから

for you are dust, and to dust you shall return.”
お前は土ぼこりなのだ、だから土ぼこりに還る」

The man called his wife’s name Eve, because she was the mother of all living.
アダムは嫁さんをイブと呼んだ、すべての生命の母だからだった

(コメント)
イブの語源が命、ということらしい
というか、やっとイブの名前が出てきた
今後アダムと同じようにできるだけイブと訳す
でないと一般名詞の男・女なのか、固有名詞のアダム・イブなのか
日本語では分かりづらくなるから訳し分けます

And the LORD God made for Adam and for his wife garments of skins and clothed them.
そして神はふたりに皮の服を作って着せた

Then the LORD God said, “Behold, the man has become like one of us in knowing good and evil.
神は言った「見よ、アダムは我らのように善悪を知ってしまった

Now, lest he reach out his hand and take also of the tree of life and eat, and live forever—”
さらに手を伸ばし命の木まで取って食べてしまわないように…」

therefore the LORD God sent him out from the garden of Eden to work the ground from which he was taken.
ゆえに神はアダムをエデンの庭から追い出し、彼がそこから生まれた地面を耕す者とした

He drove out the man, and at the east of the garden of Eden he placed the cherubim and a flaming sword that turned every way to guard the way to the tree of life.
神はアダムを追いやり、エデンの庭の東に、ケルビム(天使の一種らしい)と燃える剣を置いて、どこからも入れないように命の木への道を守った

(コメント)
たしかエジプトとかマヤでは蛇は神の使いのような扱いだったが
聖書では悪者なのも意外(蛇に何もメリットがないと思うのは前回書いた
うっかりイブに話しかけたばかりに…蛇かわいそう説)
メデューサの髪の毛とか、ヤマタノオロチとか
世界の神話の蛇も気になるが、それはともかく
昔の中東のあたりの人は
蛇に寝てるときによく噛まれて死んだりしたのだろう
さて、ことここに至って、もはや男尊女卑「的」ではなく
もうそれを正当化しているといってよいくらい
女は男と相容れず、支配される運命だと神が言ってしまっとる
イブという名前がアダムよりだいぶ遅れて出てくるし
それから、人間は出産も苦しいし、食べていくのも苦しいという前提が
こういう物語を生んだ
もともと悪いことをしたから仕方ない、という理屈付け
今もそうだが、昔も生きるのは大変なのね
また人間が土に還るというのは、たしかにその通りだと思った
だから逆算して、きっと人間はもともと土から出来たのだということか
メソポタミアで、家畜と農耕で生きてきた人々の聖書
動物を育て、動物を食べ、植物を育て、植物を食べ
よく分からないがエデンから川が流れ、東に追いやられたのだから
メソポタミアあたりは物語の舞台に含まれていそう
範囲として西はエジプト、北はトルコやコーカサス、
東はイラン、最大でインダス川かと想定されているっぽい
乾いた大地で蛇に噛まれながら麦とナツメヤシと家畜で生きてきた
よく考えれば、人間だけがたぶん服を着ないと生きていけないのも不思議
そこにも古代の人間はものすごく疑問だったのかもしれない
いや、わしも疑問に思う、なぜなんだ
犬や猫も服を着る昨今
そのうち知恵の実を食べたかのように恥ずかしがるのかな
知恵の実…ワンピースはここから?(知らんけど
それから再び神は、また誰か仲間に向かって言うかのように
「我ら」と言ってしまっているが、いったい誰なんだお前ら
結局、知恵だけは得たが、永遠の命は得損ねた
と古代人は思ったのだろうか
人間とは、神とは何だろう
ケルビムを倒せば、遺伝子工学によって、エデンの園に再び侵入し
永遠の生命を手に入れて、神にでもなれるというのだろうか
古代人の疑問が少し分かった気がする
いろいろ思って、面白かった、次はカインとアベルに続く
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