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メロウなディスクガイド

ディスクガイドって、あとで読むかも、、みたいな気持ちで少しでも気になったら手元に残しておくようにしているのですが、実際のところ後で手に取ることはあまりないし、新しいディスクガイドが出たらそっちに浮気しちゃうし、、結果的に本棚の場所を取るわりに読んでない!みたいなことになりませんか。なりますよね。

本当は「OBSCURE SOUND REVISED EDITION」というディスクガイドが素晴らしかったので紹介しようかなと思って書き始めたのですが、思いつくままに本棚にあるディスクガイドのうち、メロウな何冊かを紹介してみます。たまに思い出すといいかもってことで。

①Double Standard
2004年発売、そのころ夜遊びしてる(してた)人なら持っている人も多いはず。アマゾンで読者レビューを読んだら「索引がない」って理由で星1つにしている人が何人かいたけど、この本はそういうことじゃない!好きなDJがお勧めしているレコードは全てチェックするから、索引なんていらない。そこに時間を割くくらいなら1枚でも現場でかけていたレコードを教えてほしい。レビューは細かく、しかも実際にかけていたレコード、すなわち手の内をあかすというかネタ帳的な気前の良さもある、画期的なディスクガイドだと思います。かっこ悪いことかもしれないけど、ここで知ったあのDJのあのレコードを何枚か買った。その行為が今となってはメロウ。

②Essential Mellow Beats
2007年発売、サバービア橋下徹さん監修のディスクガイドです。ひとり10枚メロウな盤を紹介する企画で、薄くて読みやすい。レビューは短いんだけど、かっこつけてていい感じ。短い言葉に想いを乗せるって、それ自体がメロウだったりセンスだったりするじゃないですか。そういう全体の雰囲気含めて好き。

③TRIP TO ISAN 旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド
いまタイに住んでるっていうのもあって。情報量としては凄まじいのだけど、そもそもタイ語が読めないから、仮にこのガイドで欲しいレコードを覚えたとしても、実際のレコードを見たときに判別できない、、ってことにはなる。個人的にはモーラムとかルークトゥンは時間をかけて試聴しまくれば安くていいレコードに当たる確率が高いと思っているので、あんまりアーティスト名は覚えてない。覚えられないだけってのもあるかもしれないけど、興味ある方は試しに覚えてみてください。覚えにくいと思います。それはともかく、レコードを探しに飛び回るSoi48の旅行記(?)みたいなコーナーとか貴重なインタビューとか、読み物として面白い。あとバンコクナイツをどうしても観たいのだけど、空族はDVDとか配信とか出してくれないものか、、。それかどこかで観られないものか、、。タイの風景に重なるモーラム、まさにメロウ。これはタイに来ないとわからないかもしれない。

④OBSCURE SOUND REVISED EDITION
せっかくなのでちょっとだけ。オブスキュアというタイトルが示すとおり、ロックとかポップスとかじゃなくて、AmbientとかCosmicとか、そういう区分けで紹介されるレコードたち。ECMっていう章が序盤に設けられていることがこの本を象徴しているような。ここ何年かMusic From Memory(レーベル)がすごく好きで、その元ネタになったであろう同タイトルのレコードも紹介されている。そんな感じのディスクガイド。知らないレコードもたくさんあって、少しづつ集めたいなと思わせてくれます。今はタイに住んでるし物流が不安定だからちょっと難しいかもしれないけど。そのかわり、アップルミュージックで聴ける音源もわりと多いので、家で働きながら手あたり次第聴いてみたりとか。ここに紹介されているようなレコードが、今の自分にとっての王道メロウ。昔だったらメロウじゃなかった。

その他にも「Music 100+20」(藤原ヒロシ)とか、「スカ・ディスク・ガイド」(ダブとかもカバーしてていい感じ)とか「魂(ソウル)の行方」(バラカン先生の名著)とか、色々あるけどひとまずこの辺で。ディスクガイドはパラパラ読めていいですよね。そういえばその昔、Essential Mellow Beatsをトイレに常備していた時期がありました。メロウかビロウか、ビロウなメロウか、ということです。

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