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SDGs時代の問題解決アプローチ10

今回のキーワードは、「●●が低い人ではなく●●が高い人への視点」である。


事例12 コールセンターの働きやすさ向上


今回は、「コールセンターの働きやすさ向上におけるポジティブ・ディビアンス(以下、PD)活用」である。(実話を基に脚色)

課題や問題を解決するには、3つのRが重要と言われる。

Right Issue(適切な課題設定)
Right Person(適切な人材)
Right Method(適切な方法)

この3つのRightを揃えないと、課題や問題の解決は成功しない。

 まずは、「課題の設定」である。経営の視点、人事の視点、現場の視点は異なる。経営のトップ視点では、利益の多さ。人事部の視点では、人事コスト・離職率の高さ、が課題になる。現場のコールセンターのスタッフ視点では、「コールセンターでの働きやすさ」が課題になる。現場を変えるためには、「離職率の高さ」という視点で現場と話しても、それは会社経営の問題と捉えられてしまう。あくまで、現場には現場の「課題を設定」することが重要である。従業員調査の結果をみても、コールセンター部門の満足度が低く出ている結果となった。そこで、他の部署と比較ではなく、部門内でも、少ないながらでも満足度が高い人がいる!に着眼点を替えて、PDの人を探し出す。

PDの基本的な観察方法

観察方法1: ポジティブに観る
観察方法2: 現場からみる
観察方法3: リソースや環境のデータもみる
観察方法4: そこにあるのに、見えていなかったものを観る
観察方法5: コミュニティーの周辺(家族等)・時間軸(仕事以外)を広げる

発見できたPD行動

本人(PD)の上司が、
1. 「最後まで話をきちんと」聞いていた
2. CoachingやActive Listening(積極的傾聴)のTraningを受講していた
3. 努力を誉めていた
4. 成果が出やすい仕事から与えていた
5. 一緒に振り返りをしていた
そして、本人の家族(旦那)も上記の1-3を実践していた。

その後のアクション
-社内スタッフのマネージャー研修
-相手の思考・感情のTypeに応じて、Communicationを変えて、誉める技術を学ぶ
-相手が話しやすい立ち振る舞い(座り方。斜めに座る等)「最後まで聞く」
-相手が話す時間を長くする。そのためには、まず自分の口を閉じる
-質問を投げたら、相手が答えるまで待つ

社内スタッフの家族へ

-家族向け社内報にコーチングやアクティブリスニングを広める
-社員運動会に家族に来てもらい、コーチングやアクティブリスニングを紹介

結果:
Q(解決策の品質)×A(解決策の受け入れ度合い)=E(解決策の効果)

下記のニュースレターからも同様の内容が読めます。
SDGs時代の問題解決アプローチ (theletter.jp)

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まえがき
組織や集団、周辺の大事な人たちとの関係性をより良くしたい!という方にPDを知っていただきたいです。そして、本書はその過程をお手伝いしたいというPD JAPANからのメッセージであり、おせっかいな贈り物です

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