♯8私が嫌な思いをした代償が300万だ

4月に進路変更をした後、進路の怖い先生や担任の先生、ひょんなことから
勉強教えてあげるよと言ってくれたベテラン先生のおかげで11月の試験は
合格してしまった。
「あー看護師になるのか」と嬉しく思えない自分もいたが、進路が決まった
安心感はあった。

進学校でない高校から受験できたのは私立の看護学校だった。
私立の学費は3年間で300万。
公立、病院の奨学金があればもっと安い学校はたくさんある。
進路変更をしたのも遅く、学力的にも時間的にもこの学校に受かった
のであれば高くても通うしかない。
父親はもっと安く済むと思っていたよう。
私は父親の発言通りに父親が全額出すと言ったのだからと何も考えていなかった。
むしろ受かると思っていなかったのもある。

母親を通じて父親に伝言を頼んだ。
「今まで私が嫌な思いをした分がこの300万だ。お前が全額出すと言ったんだ。
私は1円も出さない。お前が全額払え。」

10年以上経った今も私は1円も払っていない。約束通り私の痛みの代償、300万は
払い切ってもらう。

進路が決まると徐々に同級生たちは自動車学校へ通うようになった。
車を購入する予定はなかったが、免許を取るなら今しかないかなと考え
私も通うことになった。費用は30万。
この費用は母親が出してくれた。結果的には父親からの援助なのか借金なのかは
わからない。でもこの額は私の使い込まれたお年玉と同額。
自分のお年玉が返ってきたと思うことにした。

不思議とこの頃には金で気持ちが精算されはじめた。

                                                                                                                            risaco.

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