Liquid Studio Official

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Liquid Studioは、メディアエンタメ業界に特化した併走型コンサルティングスタジオです。生成AIなどの先端テクノロジーに強みを持ち、ビジネスと技術の両面からハンズオンでご支援致します。 HP: https://www.liquidstudio.biz/

最近の記事

書籍制作における生成AIの活用現状

(11月19日更新)先日、AI専門メディア「AINOW」の編集長である小澤 健祐さんが「生成AI導入の教科書」という書籍を出版しました。本書籍では、生成AIの概要や企業における活用事例から、プロンプトエンジニアリングなど実践寄りの内容まで幅広くカバーされています。内容も非常に勉強になりますが、この書籍は「ChatGPTを使って執筆されている」という点も注目に値します。企画フェーズでは構成作りや見出し作成にChatGPTを活用し、執筆フェーズでも解説文を書く部分でフル活用してい

    • ニュースメディアが画像生成AIを実践導入する時に抑えるべき論点

      9月21日に、OpenAIがDALL-E3という最新の画像生成AIを発表しました。現時点では、Bing Image Creatorなら無料で、ChatGPTなら有料プランに加入していると使用することができます。DALL-E3は性能の高さもさることながら、「日本語で指示できるようになった」ことで使い勝手が大幅に向上しました。MidjourneyやStable Diffusionなど、これまで主流だった画像生成AIツールでは英単語の羅列でプロンプトを作っていましたが、DALL-E

      • AI企業による無許諾の記事利用を防ぐ方法

        言語生成AIの基盤となっている大規模言語モデルは、インターネット上のデータを大量に事前学習することによって高い精度を出しています。OpenAIが提供するGPT-3.5の学習データサイズは45TB、GPT-3は450GB、GPT-4は公開されていませんが、その性能の高さから考えると45TBの数十倍であると考えて差し支えないでしょう(Zenn)。ちなみに、Wikipediaの中で日本語の記事の総計が20GB、本7000冊で4.5GBであることを踏まえると、そのデータサイズの巨大さ

        • メディアエンタメ企業における、生成AI活用の"失敗"事例

          以前執筆した「大手メディア企業の生成AI活用事例」では、主にテキスト・音声メディア企業による生成AIの活用方法をまとめました。 世の中全体でChatGPTをはじめとする生成AIへの理解が進み、メディアエンタメ業界においても国内外で様々な試行錯誤が行われています。数字として顕著な成果を上げている事例が多数出てきている一方、ハルシネーションや面白みのない文章など、生成AI特有の課題に悩まされている企業も多いと推察されます。 新しい取り組みを始める時、他社の成功事例を参考に戦略を

        書籍制作における生成AIの活用現状

          日本版SGEを徹底解剖 - トラフィックへの影響は?

          8月30日に、Googleの対話型生成AI検索エンジンであるSearch Generative Engine(SGE)の日本語版の試験運用が始まりました。あくまで「試験」運用なので、現時点ではユーザーからのフィードバックを集めることを目的にした実験的な仕様であり、今後も機能の変更や追加、削除が頻繁に起きます。本記事では、日本語対応した初期版SGEがどのように機能し、どのようにトラフィックへ影響しうるのか、さらに今後追加が予想される機能についても触れていきます。 ウェブメディ

          日本版SGEを徹底解剖 - トラフィックへの影響は?

          ニュースメディアによるイベント事業のケーススタディー

          先日、日本でもGoogleの新検索体験「Search Generative Engine(SGE)」のβ版提供が始まりました。SGEは、検索クエリに対して回答を自動生成し検索結果画面の一番上に表示します。β版ということもあり品質については議論の余地が大きいですが、将来的に「検索結果のURLをクリックせず検索結果画面上で情報収集が完了する」という検索体験が主流になる可能性も十分考えらえます。そうなると、ニュースメディアへのトラフィックは大きな打撃を受けることになります。 また

          ニュースメディアによるイベント事業のケーススタディー

          ニュースメディアによるショート動画SNSの基本戦略

          (最終更新日:2023年9月21日) 今日、人々は様々な方法で情報を取得しています。その中でも最も新しくかつ世界全体で急速に浸透してきているチャネルは、TikTokやInstagram Reelsに代表されるショート動画SNSでしょう。特に、TikTokは全世界で17億人を超えるユーザーを抱えています。9ヵ月で1億人を突破し、現在も急速に成長を続けています。 しかも、ショート動画SNSにおいてニュースはHow to videoに次いで二番目によく消費されるコンテンツと言われ

          ニュースメディアによるショート動画SNSの基本戦略

          プレゼン資料を自動生成するChatGPTプロンプトエンジニアリング

          ChatGPTは、課金してPLUSユーザーになることで様々な機能を使えるようになります。例えば、AIチャットボットの能力を比較評価できる「Chatbot Arena」で1位をマークしているGPT-4や、外部企業が提供する800以上のプラグイン、最近だと自然言語でPythonを操作することができるCode Interpreterも大きな話題になっています。 このように仕事の自動化・効率化に繋がるあらゆる便利機能が存在する一方で、それらを使いこなすためにはChatGPTへの指示文

          プレゼン資料を自動生成するChatGPTプロンプトエンジニアリング

          大リーグ結果速報ニュース番組の自動生成

          今回の記事では、いくつかの生成AIツールを組み合わせて「昨日の大リーグの試合結果」をアバターが解説するニュース番組を自動生成します。 動画は以下よりダウンロードすることができます。 同様のコンテンツを生成する方法は他にも無数に存在しますが、今日はその中でも特にシンプルですぐに実践できる方法を紹介します。 その後、AIアナウンサーの実践例として海外のニュース番組をいくつか紹介します。最後に、テキストコンテンツを画像や動画、音声に変換するフォーマット調整の重要性についても触れ

          大リーグ結果速報ニュース番組の自動生成

          ホワイトペーパー公開 - メディアによるAIチャットボット 成功の処方箋

          背景ChatGPTの華々しい登場から約9ヵ月が経過し、メディア業界でも生成AIのあらゆるユースケースが模索されています。その中でも、自社が保有するコンテンツを追加学習させ独自のAIチャットボットを構築する事例が多数出始めています。これは、大量の独自コンテンツを有効活用でき、読者の利便性を上げたりアーカイブ記事へのアクセスを増やせるという点で非常に理にかなった戦略です。 しかし、あらゆるサービスやコンテンツが群雄割拠しているインターネット業界において、「生

          ホワイトペーパー公開 - メディアによるAIチャットボット 成功の処方箋

          メディア広告営業における生成AIの活用方法

          メディアの広告営業に限らず、属人的で構造化されていないことが多い営業という職能は、コンテンツ制作やマーケティングなどに比べるとデジタル技術、特にAIの活用が遅れています。実際、Hubspot Japanの調査によると、営業従事者のうち生成AIの意味や使い方を理解しているのはわずか8.9%で、61.3%は聞いたことさえないそうです。 同時に、営業は生成AIの能力を活かすのに適した職能でもあります。営業プロセスで発生するクライアントとのメール、電話、オンライン会議などのコミュニ

          メディア広告営業における生成AIの活用方法

          記事制作における生成AIの役割 - 作業効率化以外の可能性を考察する

          先日お客様と議論をする中で、「デジタルニュースメディアや新聞でのテキスト記事制作において、作業効率化以外に生成AIがもたらすポジティブなインパクトはあるのか」というトピックが上がりました。 例えば現代アートの分野では、生成AIだからこそできる表現方法を用いた「AIアート」という新しい分野が生まれつつあります。これをアナロジーとして考えると、一つの仮説としてテキスト記事の制作においても「AIだからこそ生み出せる付加価値を組み合わせた新しいコンテンツ」が出現する可能性があるのでは

          記事制作における生成AIの役割 - 作業効率化以外の可能性を考察する

          新機能にパフォーマンス向上!Open AIのAPIがアップデートを発表

          本記事では6/13のOpen AI社のAPIアップデートを説明しています。 出典元は下記です。 tl;dl6/13のアップデートは大きく分けると3つです。 Chat Completions APIに新しい機能が追加、他APIとの連携が便利に! gpt-4とgpt-3.5-turboに新しいバージョンが登場 一部のAPIの使用料がコストダウン それでは詳しくみていきましょう。 Chat Completions APIに新しい関数呼び出しの機能が追加今回の目玉機能はこ

          新機能にパフォーマンス向上!Open AIのAPIがアップデートを発表

          メディア各社のAI利用ポリシーまとめ

          (最終更新日: 2023年7月30日) 22年11月にAIによる自動生成記事を掲載したCNETを皮切りに、メディア業界全体で生成AI活用に関する試行錯誤や議論が活発化してきています。Buzzfeedはクイズやミニゲームに生成AIを仕込むことで、ユーザーのコンテキストや入力内容に応じてパーソナライズされた体験を提供しています。その結果、AIを組み込んだクイズは従来のものに比べてユーザーの滞在時間が「40%」長かったと報告されています(Ad exchanger)。さらに、チャット

          メディア各社のAI利用ポリシーまとめ

          メディア業界における生成AIマクロトレンド(4月中盤~5月末)

          Liquid Studioでは、ご登録頂いた皆様へ毎週月曜日にニュースレターを配信しています。そこでは、noteなどで公開している弊社制作記事や、前週に起きたメディア業界におけるAI関連の注目ニュースを纏めてご紹介しています。 ニュースレターへのご登録はこちら。 今回の記事は、4月中盤~5月末にかけて配信してきたニュースレターでご紹介した注目ニュースを振り返りつつ、そこから見えてくるマクロトレンドについて解説します。 マクロトレンド注目ニュースから見えてくるこの1.5ヶ月

          メディア業界における生成AIマクロトレンド(4月中盤~5月末)

          メディア企業の記事制作における、主要なライティング系生成AIツールの比較 2

          (最終更新日:2023年5月19日) 本記事は、「AIによる記事のドラフト生成」というユースケースにフォーカスした場合のAIライティングツールを比較する連載の後編です。本記事では、Copy.ai, Cohesive, ChatGPTを検証します。前提条件の整理とJasper.aiを検証した連載の前編は、こちらをご覧ください。 Copy.aiCopy.aiは、90を超えるテンプレートや対話型インターフェースによるテキストの自動生成サービスを提供しています。「特定の条件下で生成

          メディア企業の記事制作における、主要なライティング系生成AIツールの比較 2