見出し画像

<不定期連載>読書会について本気出して考えてみた。|第4話「オンライン読書会」(田中佳祐・竹田信弥)

田中「こんにちは、ライターの田中佳祐です」
竹田「双子のライオン堂書店の竹田信弥です」
田中「今回はオンライン読書会について話したいと思います」
竹田「うちでもぼちぼちやってますね」
田中「なんか緊張しますね」
竹田「読書会って、「不要な会話」って重要だと思うんです。でもオンラインだと本題だけ簡潔にという感じがする。仕事の会議だったら効率化していいのかもしれないけど。あと、どこか、誰としゃべっているかわからない感がありますね」
田中「古いタイプのオタクなんで、ネットで顔出しするのにマジ抵抗感あります。でも、オンラインイベントって顔出しした方が盛り上がると思います。司会もその方がやりやすい、でも嫌だ。あと、部屋の様子が映るのが本当に嫌です。バーチャル背景とかあるけど、ヒヤヒヤしちゃう」
竹田「僕たちのやった、「プルーストを読むだけ読書会」は良かったね」
田中「特に話もせず、適当にZOOMを繋いで各々自由に『失われた時を求めて』を読んだやつですね」
竹田「最初にやったときはそれほど人数いなかったですが、全国から集まったのも面白かったです」
田中「あれは楽しかったですね。誰かの家のBGMが流れてきたり、他の人と関りは薄いんだけどなんとなく近くにいる感じがして読書が捗りました」
竹田「我々がオンライン読書会をはじめたのは、コロナの影響でお店に集まれない状況ができて、でも連続読書会(数ヶ月に渡って同テーマの本を読む)の予定が組まれていたから急遽って感じでしたね」
田中「オンラインで開催するのは早かったですよね。友達だけの読書会では前からやってたからかな」
竹田「我々は慣れていた。でも、そのあと数は増やさなかった」
田中「そうね。やっぱり会話ベースのイベントだからリアルでやるのがいい。込み入った話が面白い。けど、オンラインだとそういう話が広がりずらい。リアルでやるために取っといている感じですね」
竹田「なるほど。ぼくはいままで来てくれていた人がオンラインになって参加しずらくなったという声があって躊躇していますね。一方で、オンラインだから参加できたという声もあって」
田中「お店としても読書会がないのは厳しいですから、ゼロにはできない」
竹田「今後は、オンラインだからできる企画を模索しつつ、リアルでできる日を待ちたいかな」
田中「そもそも、読書会の形式もいろいろありますからね。勉強しましょう」
竹田「オンライン読書会って増えてきてますね」
田中「盛り上がってるとこもあるらしいですよ」
竹田「どんな読書会なんですか?」
田中「かなりニッチな分野、例えば数学が好きな人たちがやっている研究書を読む読書会なんかは全国から人が集まるようです」
竹田「リアルだと近くの人しか来れないですもんね」
田中「僕たちは東京に住んでるからニッチなコンテンツも身近にあるけど、オンラインじゃないとそういうコンテンツにアクセスできない人もいるだろうなあ」
竹田「そういえば、うちで開催しているカントの三批判書を読むオンライン読書会は、他にそういうものが少ないからか人が集まってますね」
田中「あと、盛り上がってるオンラインイベントとして「家ヨガ」があるらしいです」
竹田「それ、読書会ちゃうやん」
田中「そう思うでしょ!でもちゃんと最後まで話をきてくださいよ。ヨガって初心者めっちゃカッコ悪いポーズになるじゃないですか、最初は体が硬いからね。そうするとスクールとかでやると恥ずかしい。でも家だと音声ミュートして、画像もミュートにしちゃえば恥ずかしい姿を見せなくてもいい」
竹田「なるほど・・・」
田中「これを読書会にするとどうなるかというと、朗読とか良いじゃないかと思ってるわけです。自分の家でマイクミュートにして、オンラインで繋いでる人に聞こえないように朗読して、そのあとでみんなで朗読した作品の感想を言うっていうのは良いんじゃないかな」
竹田「それはたしかにいい!初対面の人ばかりのところで朗読って恥ずかしいですもんね」
田中「つまり、オンラインのコンテンツとして向いてるものは、全国から参加したいと思うニッチなものと、人前でやるのは恥ずかしいものの二つだと思います」
竹田「そこに金脈が!!」
田中「うへへへ」
竹田「今後、オンラインも残しつつ、リアルでも集まって読書会するみたいな方向にもなると思うんですけど」
田中「それって音声ごちゃつきません?」
竹田「そう思うでしょ!でもちゃんと最後まで話をきてくださいよ。オンライン会議システムに繋がるスマホかパソコンを人数分または数台用意して、無指向性のマイク1つ、そして重要なのが、イヤホンの分岐ジャック。これ二股は有名でるが、5又とかあるんですよ。さらにそれを分岐することもできるので、実験では最大15人までつなげました。実際には、オンラインで5人参加して、会場に5人、で読書会をやって、まったく問題なしでしたね」
田中「じゃあ、その機材のレンタルで儲けしましょう」
竹田「ゴールドラッシュ時のジーパン販売戦略ですか。ただ、読書会人口がそれほど多くないですからね」
田中「まずは読書会がもっと流行ることを願いましょうか」
(おしまい)

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?