「初めて」の気持ち

10年以上ぶりにハリーポッター原作を再読している。
ハリーポッターとの出会いは中学一年生の時、図書室にやけに分厚い本が新しく入荷しており、当時より読書好きを豪語していた私は、我先にと借りて帰って一晩で一気読みした。
それから新しい作品が出るごとに書店に足をはこんで、ハリーの魔法の世界に浸るのが幸せな時間だった。私の10代はハリーとともにあると言っても過言ではない。
いや、それは過言かもしれないが、それくらいハリーポッターシリーズにはドはまりしていた。


育ちに難ありのハリーが、仲間と一緒に悪に立ち向かう最高の冒険ファンタジー。
友人のハーマイオニーとロンと一緒に数々の困難に立ち向かい、周りの人に助けられ、悪の親玉ヴォルデモートを倒す最終巻などは、今までのハリーを思うと感慨深いものがある。
最高のファンタジーだ!と思いながら読んでいた。
今ももちろん最高のファンタジーだと思っているのだが。


30代になってハリーポッターを再読してみると、おや⁉と思うところもある。というよりかは、おや⁉と引っかかる自分が出てきていることに気が付く。
ハリーってこんなに暴君だったかな?と思ったりしているのである。


決してハリーポッター批判ではない。
なにしろ私はハリーポッターシリーズ原作全巻所有しているし、映画シリーズは何度見たか数えきれないくらい見ているし、30代になってもなお原作を読み直すくらいハリーポッターが大好きなのだから。
そんなハリーポッターファン、もはやオタクの域に達しつつある私でさえ子供の頃に読んだハリーの印象と今読んでいるハリーの印象が全然違うのに驚きである。


子供のころ、勇敢で仲間を大切にし悪に立ち向かうヒーローだったハリーは、今やワガママで他人の言うことを聞かずに独りよがりな手に付けられない青年という印象になっている。
だって全然他人の忠告を聞かないんだもん!
そのせいで命の危険にさらされた人や、本当に死んでしまったキャラクターもいるくらい。
昔は、その勢いがかっこよかったんだなぁ。


やはり「初めて」の体験に勝る感動は無いのかもしれない。
子供のころ食べた駄菓子も、懐かしいなと思って買って食べてみると「こんなもんか」という見知った味でしかなかったり、懐かしのテーマパークに行ってみても「まぁこんなもんでしょ」と斜に構えている自分がいたりして。
なんだか嫌だなぁ~。


これからどれくらいの「初めて」が経験できるだろう?
たぶんめちゃくちゃ沢山経験できるだろう、まだ30代だから。
でも、もう経験してしまった「初めて」もある。
出来るだけ「初めて」の気持ちを忘れずに生きていきたい。


出会った人との初めての会話。
初めて行く場所。
初めて読む本。
初めて見た景色。



このnoteも初めて更新した。
誰が見てくれるかもわからないけど、初めて書いてみた。
これからも沢山の楽しみを持って生きていけたらいいな。

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