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より激しい身体活動が心臓に良い

運動強度に関係なくどんな身体活動も健康に有益だが、その一部が中-高強度運動であれば、より心血管疾患のリスクは低下するようだ、という英国レスター大学などからの研究報告。

研究者らは、英国で心血管疾患のない中年成人 88,412 人を対象に、身体活動の量と強度と心血管疾患の発生率との関連を調査した。対象者は英国バイオバンクの参加者で、利き腕の手首に研究グレードのアクティビティ トラッカーを 1 週間装着して身体活動を記録した。参加者は、平均6.8年追跡調査され、虚血性心疾患や脳血管疾患を含む心血管イベントの数が記録された。

データ解析の結果、総身体活動量が心血管疾患リスクの減少と強く関連していることが明らかになり、中から高強度の総身体活動量を増やすことが、心血管リスクのさらなる減少と関連していることも示されたという。中-高強度身体活動の割合が、全エネルギー消費の10%ではなく20%になると、それ以外の活動レベルが低くても、心血管疾患の発生率は 14% 低下した。これは、毎日 14 分の散歩を 7 分の早歩きに変えることに相当するという。

全体として、身体活動の全体的なレベルが高く、中-高強度の身体活動の割合が高い参加者の間で、最も低い心血管疾患の発生率が観察された。しかし、興味深いことに、身体活動の全体的な量が増加したが、中-高強度活動の割合が同じままなら、心血管疾患の発生率にほとんど影響を与えなかった。たとえば、全体的な身体活動レベルが 2 倍になっても、中-高強度活動の割合が 10% のままなら、心血管疾患の発生率に有意な影響はなかったが、中-高強度活動が、20% および40% 増加した場合には、心血管疾患の発生率は それぞれ23% および40% 低下した。

「私たちの調査結果は、人々が全体的な身体活動を増やすことを奨励するために〈すべての動きが重要であり、もし可能であればより強度の高い運動も取り入れるべきだ〉という単純な行動変容メッセージをサポートするものです。それは散歩の速度を高めることで容易に実現可能ですが、より多様なアプローチによって最も実用的かつ楽しめる方法を模索するべきだと思います」と研究者はコメントしている。

出典は『欧州心臓ジャーナル


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