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肥満者は不健康食品の価格に敏感

肥満者は、クッキーやポテトチップスなどの不健康な食品を購入する際には価格に敏感だが、ニンジンや米などの健康的な食品を購入する際は価格に敏感ではないようだ、という研究報告。

消費者データによると、肥満の人は、不健康な食品の購入に関して、他の人よりも価格に敏感であり、食品税が効果的な公衆衛生対策となる可能性があることが示唆されている。だが、加糖飲料への課税は、公衆衛生を改善するために一般的に採用されている政策となっているものの、キャンディー、クッキー、ポテトチップスなどの不健康な食品への課税はあまり一般的ではなく、そのような税金が公衆衛生を改善するかどうかについてはデータが少ないのが現状である。

そこで研究者らは、さまざまな体重の人を対象に、不健康な食品を購入するかどうかの決定を下す際の価格の影響を調査した。研究者らは、消費者調査会社であるNielsenIQとCircanaが収集したデータを分析した。これらの企業は、1オンスあたりの価格など、米国の世帯による実際の購入に関するデータを収集している。世帯のメンバーは、身長と体重に関する質問を含むアンケートにも回答する。

研究者らは、すべての購入を1人の個人に正確に割り当てることができるように、単身世帯に焦点を当てた。結果としてサンプルサイズは約8,000~1万世帯となった。

データ解析の結果、BMI が30以上の人(肥満者)は、クッキーやポテトチップスなどの不健康な食品を購入する際には価格に敏感だが、ニンジンや米などの健康的な食品を購入する際は価格に敏感ではないことが明らかになった。この影響は所得に左右されなかった。

不健康な食品カテゴリの価格が 10% 上昇すると、これらの食品の消費が大幅に減少し、たとえば BMI が40以上の高度肥満の消費者の場合、冷凍ピザの購入が最大 14% 減少するだろう、と研究者らは考察している。

出典は『PNAS Nexus


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