見出し画像

ノンアルコールのドラフトビールをパブで提供するのは有効かも

パブやバーでドラフトとしてノンアルコールビールをより広く入手できるようにすれば、人々がアルコールビールからノンアルコールビールに切り替えるのに役立つ可能性があるようだ、という研究報告。

英国ブリストル大学の研究者らは、期間限定でドラフトで提供する飲料を変更する意思のあるブリストル市内のパブやバー14軒を募集した。同じグループによる以前の研究では、現実世界の行動の代用としてオンライン実験を使用し、ノンアルコールの選択肢の割合が増えると、人々はアルコール飲料よりもノンアルコールの飲み物を選択する可能性が高くなることが示されていた。

今回研究では、参加したパブやバーは、2週間はドラフトでアルコールビールのみを提供し、2週間はドラフトでアルコールなしのオプションを提供し、これを2回(合計8週間以上)実施した。実施の順序はランダムとした。その後、研究者らは、アルコールビールとノンアルコールビールの販売量と合計金額を算出した。

解析の結果、ノンアルコールのオプションが利用可能だった場合、パブやバーでのアルコールビールの販売量は平均して1週間あたり29リットル減り、売上が5%減少したことが明らかになった。これはノンアルコールビールの売り上げの同等の増加によって置き換えられ、顧客は単に別のオプションを選択していることが示唆された。重要なのは、全体的な収益に正味の影響はなく、この変更が参加しているパブやバーの財務収益に悪影響を与えていないことを示唆していることであるという。

飲酒行動の小さな変化であっても、公衆衛生上重要な利益をもたらす可能性があり、より多くのパブやバーで消費量を5%削減すれば、アルコールに関連した害を大幅に減らすことができる、と研究者らは考察している。

「私たちの調査では、バーでドラフトのノンアルコールメニューを提供すると、一部の顧客がアルコール飲料から切り替える可能性があることがわかりました。これは消費者の選択を制限するものではなく、実際、顧客が利用できる選択肢を増やすと同時に、人口のアルコール消費量を減らし、公衆衛生を改善する可能性があります」と研究者はコメントしている。

出典は『Addiction

http://dx.doi.org/10.1111/add.16449


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?