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がん生存者のAPOE遺伝子型と転倒率、運動介入の関連

がん生存者の高齢女性において、ApoE4キャリアは、非キャリアに比べて、転倒リスクが高いが、運動介入によって改善がみられるようだ、という米国テキサス大学などからの研究報告。

がん治療の生存者は、機能障害と転倒の増加を報告することがしばしばみられる。すべての生存者が同じ症状を経験するわけではなく個人差が存在する。APOE 遺伝子型は、がん治療に関連する副作用の潜在的な遺伝的リスク因子である。がんの病歴のない個人においては、身体活動などの生活習慣因子がAPOE 遺伝子型の影響を軽減することができるといわれている。

そこで研究チームは、APOE 遺伝子型が、がん治療に関連する副作用と症状に及ぼす影響、そしてさらに運動介入への反応に及ぼす影響について検証した。

研究チームは、がん診断から平均49か月後の女性がん生存者(50-75歳)126名における転倒防止運動の研究のサブサンプルからのデータを使用して、二次データ分析を実施した。

ApoE4 キャリアは、ベースラインでの転倒率が高くなる傾向があったが、運動介入後の転倒率には非キャリアよりも転倒率が低くなった。E2キャリアは、運動介入後に抑うつ症状と自己報告による障害の改善を示さなかった。E3 ホモ接合体キャリアは、6 か月の運動介入後に自己報告による身体活動の増加を示したが、E4 および E2 キャリアはそうではなかった。

「この研究結果は、APOE遺伝子型ががん治療に関連する副作用や症状の存在と重症度に関連している可能性があり、がん生存者の運動ベースの介入への反応にも影響を与える可能性があることを示唆しています」と研究者はコメントしている。

出典は『がん治療標的


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