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【オフシーズンインタビュー①チェコ3部リーグ所属 桶川裕矢】

コロナ禍で迎える2021年のオフシーズン。海外でプレーする選手たちは、どのようなオフシーズンを過ごすのでしょうか?

第1弾は、チェコ共和国プロ3部リーグ所属の桶川裕矢選手にインタビューしました!

桶川選手が在住するチェコ共和国は、新型コロナウイルスの平均感染者数がピーク時の11%と減少傾向にあります。(2021年5月12日現在)
しかし、1日の平均感染者数は約1500人となっており、人口が約1000万人(東京都と同じくらい)の国としてはまだまだ厳しい状況が続いています。

その影響もあり、2020-2021シーズンはチェコ国内のリーグ戦も中断を余儀なくされ、シーズンを通して桶川選手の所属チームが行えた試合は、たった4試合のみとなってしました。

思うようなシーズンを過ごせずに2020-2021シーズンを終えた今、異例続きのシーズンを振り返り、このオフシーズン期間を桶川選手はどのように過ごすのでしょうか?

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◎今シーズンを振り返ると、どのようなシーズンでしたか?

桶川:
正直、シーズンといえるシーズンではなかったです。
シーズン中に4試合行うことができましたが、

『本当に最初4試合やったのか?』

という気持ちが大きく、試合をしたことが遠い昔の出来事のようです。当然、やり切った感もありません。チームとして、まとまりがでてきたところでの中断だったこともあり、尚更もどかしい気持ちでいっぱいです。

試合が行えた4試合を振り返ると、チームとしても個人としてもあまり良い試合ではありませんでした。
新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断したことは、アイスホッケーに限った話ではないため、仕方ない部分が非常に大きいと思っています。しかし、今シーズン氷上に全く乗れなかったので、氷の上にはもう少し乗りたかったというのが正直な想いです。

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◎このオフシーズンはどのように過ごしますか?


桶川:
例年(コロナ前)であれば、シーズン終了後の4月に日本に帰国し、そこから3,4カ月ほど日本で過ごします。

僕自身の帰国の最大の目的は、精神面のリフレッシュです。日本に帰国しているときは、家族や友人との時間を大切にしています。なので、基本的に日本では氷には乗りません。
といいつつも、アイスホッケーのことが大好きなので、アイスホッケーのことを考えている時間が多いです。(笑) また、三浦優希選手が誘ってくれたり、Linkのキャンプに参加したりして氷上に乗る機会もあります。

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今年も、日本に帰国予定です。昨年はコロナウイルスの影響で帰国できなかったので、久しぶりの日本で少しドキドキしています。

帰国後の過ごし方は、コロナ以前とあまり変えない予定です。ただし、海外から帰国していることもあり、自分からビジター練習に参加したり、以前所属していたチームの練習に参加したりすることは控えようと思っています。

もちろん不要不急の外出も控えます。せっかくの日本にいる期間を楽しみたかったのですが、現実的に厳しそうですね、、。

◎このオフシーズンで身に付けたい力や新たに挑戦しようと思っていることは何ですか?


桶川:
1番は、氷上での感覚を取り戻すことです。先日久しぶりに氷上に乗る機会があったのですが、自分でも驚くほどに体が動きませんでした。こんなにも長い期間氷上に乗ることができなかったのは初めてだったので、ここまでの状態になっていることに驚きが隠せませんでした。

チェコでは、今もリンク使用に制限があるので、陸上でのトレーニングなどできることをただひたすらに行っていこうと思っています。

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今年のオフシーズンでは、全体的なレベルアップを目指しています。

その中でも特に“チャンスメイク”ができるようになりたいです。今シーズン、現在所属しているチームで3シーズン目を終えました。どのシーズンでも自分のプレーが機転になる場面がまだまだ少ないのが現状です。僕自身のプレーが機転となり、試合の流れやチームの雰囲気を変える機会を増やしたいと思っています。

なぜ、ゴールを取ることよりもチャンスメイクにこだわるかと言うと、僕は、“チャンスメイク”ができる選手は“試合が読める”選手だと考えているからです。

そして、“試合が読める”選手になるためには、大きく3つの要素があると思っています。

 1つ目は、試合経験数を積むことです。これに関しては、シーズン中に重点を置くべきことだと思うので、オフシーズン中は重要視していません。
 2つ目は、シミュレーションやイメージトレーニングを行うことです。自分自身の中で“チャンスメイク”をしている自分を想像します。試合をイメージしながら、どのような場面でどんなチャンスを作るのか。より具体的にシミュレーションしていきます。
 3つ目は、身体面です。中でも、“1歩目の動き出しを強化する”ことと“反応スピードを速くすること”が“チャンスメイク”をするために非常に重要です。

このオフシーズンでは、2つ目と3つ目に重点を置いて取り組んでいこうと考えています。
さらに3つ目に関しては、Link主催の盛岡キャンプが動き出しには欠かせない姿勢作りの部分を特化したプログラムになっているので、キャンプに参加し強化していきたいです。

ホッケー以外に関しては、金銭面や今後の活動に関してじっくり考える時間にしたいと思っています。日本に帰国しているときにしか会えない人にたくさん相談する予定です。

◎来シーズンの目標を教えてください!

まずは、『1年間怪我無くプレーすること』です。
来シーズンは、1シーズン分(約半年)のブランクがある状態で臨むシーズンです。当たり前のことですが、怪我をしてはアイスホッケーができません。これ以上氷上に乗れないのはさすがに耐えられないので、まずは怪我なく1年間プレーをしていきたいと思います。

そして、チームとしても個人としても、いいスタートダッシュを切りたいです。チームとしては今シーズンが4試合のみだったこともあり、来シーズンのスタートダッシュは非常に重要だと考えています。
チームメイトや監督とのコミュニケーションを密に取り合っていきたいです。

個人としては、コンスタントに試合出場し、チームに貢献したいです。良いスタートダッシュを切り、それを維持する。レベルが上のチームと対戦しても、活躍できるような選手を目指します。

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アイスホッケーを心から愛し、楽しんでいる桶川選手らしい回答をたくさんして頂きました!
また、「チャンスメイクができる選手に」という部分は、ご自身の分析を丁寧におこなっているからこその目標であると感じました。

引き続き、Linkでは桶川裕矢選手を応援していきます!

次回の第2弾は、フィンランドプロ3部リーグHaukat所属の杵渕周真選手編です!

次回もお楽しみに

村上 綾

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