見出し画像

【オフシーズンインタビュー②フィンランド3部リーグ所属 杵渕周真】

大好評!海外組選手のオフシーズンインタビュー第2弾です🏒

今回は、フィンランド3部リーグに所属する杵渕周真選手にインタビューをしました🗣

コロナ禍でリーグが一時中断したり、思うように練習ができなかったりする状況の中、杵渕選手が所属するHaukatは今シーズン、プレーオフ準優勝という成績を残しました✨

そして、杵渕選手は海外で活動する日本人アイスホッケー選手では1番乗りで来シーズン(2021-2022シーズン)の契約を結びました!新型コロナウイルスの影響により、スポーツ界全体が外国人選手との契約を足踏みする中、オフシーズンが始まったタイミングでオファーは素晴らしいことです👏🏻👏🏻

現在、来シーズンに向けて好発進の杵渕選手ですが、このオフシーズンをどのように過ごすのでしょうか❓

画像4

それではご覧ください💁‍♀️

ーーーーーーーーーー

◎今シーズンを振り返ると、どのようなシーズンでしたか?

杵渕:
チームとしては、『チーム全員が同じ方向に向いて走り続けることができたシーズン』だったと思います!
 昨年の夏、新体制でチームが始動した際に、新しい選手が入ってきたことで『(今シーズンは)新たな風が吹く』予感がしていました。しかし、その時点では選手によってアイスホッケーや試合に対する思いの温度差が大きく、キャリアをつくりたい選手、勝利にはこだわらず趣味程度でアイスホッケーする選手など、本当に様々な思いの選手がいました。

私が所属するフィンランド3部リーグも新型コロナウイルスの影響で、10月から1カ月間リーグが中断しました。

その中断期間中には、チーム全員で話し合う機会があり、そこで『勝つ気がない選手やホッケーに興味がない選手は、チームを離れてもらう。』というチームとして大きな決断を下したのです。これにより、チーム内の温度感が一致し、『結果重視』の雰囲気へと変わっていきました。

画像4

この決断が功を奏し、中断明けの試合は勝ち星を重ねることができ、見事プレーオフに進出!!そして、最終的にはリーグ準優勝という成績を残すことができました!!

個人としても『とてもいいスタートを切ることができたシーズン序盤』でしたが、10月に足首を怪我してしまい、調子が上がらないまま中断期間に突入しました。そのまま試合感を取り戻せないまま、リーグが再開してしまったので『調子を戻すのにすごく時間がかかったシーズン』となりました。
 今回の怪我は、小さい頃にバスケットボールで怪我をしたクセが再発したようなもので、アイスホッケー選手が足首を怪我することは珍しいんです。

シーズンの出だしが良かったからこそ、足首のクセをしっかりと治療して、再発を防ぐためのリハビリに専念しました。

この怪我のリハビリを始めた時は、正直なところ「ポイントをとる」ことに重点を置いていました。しかし、プレーオフが近づくにつれ“チームで勝ちたい!”という想いが大きくなり、チームの中での自分の役割を着実に果たすことに重点を変えていきました。

今シーズンのチームのDFは選手のレベルが高く、怪我をしたら試合に出る枠を埋められる選手ばかりです。つまり、怪我をすると確実に復帰できる立場が確立されていないということです。

日本では常にスタメンでしたし、怪我をしても復帰した後に出場できる立場も確立されていましたが、フィンランドに来てから、あまり怪我しなかったこともあり、今までにない苦しい経験もありました。そこを乗り越えた今、シーズンを振り返るってみると、精神面での少しだけ成長できたシーズンだったようにも感じます。

画像5

◎このオフシーズンはどのように過ごしますか?

杵渕:
コロナ以前は、4月上旬にシーズンが終了した後、5月いっぱいは、大学の学業に専念して、トレーニングも軽いもののみを行っていました。そして、6月に日本に帰国し、そこから2,3カ月程日本で過ごしフィンランドに帰るというようなスケジュールでした。

しかし、今年のオフシーズンは、新型コロナウイルスがまだ終息していないということもあり、日本に帰国はせずにフィンランドで過ごす予定です。

今現在、5月中は大学があるため、(朝)ジムでの自主トレ→(帰宅後)大学→(午後以降)チームでのトレーニング、というような1日を過ごしています。

例年であれば、チームでのトレーニングは7月頃から始まるのですが、今年はとても早く来シーズンに向けての新体制が始まっています。

3部リーグのチームは、『選手を育成する』役割があります。既に契約した選手をオフシーズン中に十分なトレーニングさせて、シーズン開幕前に2部のチームに送るということをチームが考えていることもあります。だからこそ、私も契約更新の際に、7月8月頃に2部のチームに推薦してもらうことを約束していただきました。

『選手の育成』をするためには個人トレーニングでは限界があるので、例年よりも早くチームトレーニングが始まったということにはチームの覚悟も強く感じます。おそらく、チームの執行部が『勝つための』チームにするために早く動き出してくれたのだとも思っています。(笑)

チームでトレーニングができること以外に、私にとってオフシーズン中フィンランドに残る理由はもう一つあります。

それは、NHL選手やフィンランドの1部,2部で活動している選手などハイレベルな選手と練習ができることです。チーム主催のトレーニングキャンプはありませんが、友人等の力をかりて様々な選手を集め、一緒に練習できる機会を頂いています。選手として成長するという点では、日本に帰国するよりもまた異なった大きな刺激をもらえると思っています!

画像1

◎このオフシーズンで身に付けたい力や新たに挑戦しようと思っていることは何ですか?

杵渕: 新しく挑戦したいことはたくさんあります!

一番挑戦したいことの一つに、『日本人ハーフのコミュニティ』をつくるという目標があります。以前イベントの際にも少しお話しましたが、『アイスホッケーはみんなのスポーツではない』という言葉にとても共感しました。そして、この考えに共感した方々で新しくコミュニティができ始めています。日本では、アイスホッケーの知名度や人気度が高いとは言えません。だからこそ、日本にもアイスホッケーの魅力などを広め、『アイスホッケーをみんなのスポーツ』にしていけるような活動をしたいと考えています。

ただ、入り口をアイスホッケーにしてしまうと集まる人も少なくなってしまうと思うので、まずは“スポーツ好きのハーフコミュニティ”のような形で、スタートしていこうかなとも考えています。FacebookやClub Houseなど、現代はコミュニティをつくる手段が多くあるからこそ、「どれでやろうかなあ」と考えている最中です。

私自身バスケットボールもしていたこともあり、個人的には、NBAの八村塁選手との繋がりができればいいなあなんて思ってます。(笑)

そして、このオフシーズンは『スポンサー獲得』にも力をいれていきたいと思っています。やはり『スポンサー獲得』は、アイスホッケー選手を続けていく上で、非常に重要なことであるので、オフシーズン中も積極的に動いていくつもりです!

今フィンランドでは、日本でも有名な某企業が流行っているんです!僕の住んでいる地区にもPOP UP SHOPができ、『絶対僕のことを(支援する選手として)狙っているな』と思いました。(笑)

個人的には、日本企業にスポンサーになって頂きたいと思っているので、その企業にアタックしようとも考えています!
正直、そこは大手企業なので、スポンサーになってもらうことは簡単ではないと思いますが、動かないことには何も始まらないので、まずは連絡してみたいと思います。

選手としては、『自分の体格をどうやったら最大限に活かしていけるか』ということを見つけていきたいです。現在、190cmで90kgというアイスホッケー選手として恵まれた体格をもっていると思うので、この体格をどのようにすれば最大限に活かしていけるのかということを僕自身の中で見つけ、プレーにつなげていければと思います。

画像6

◎来シーズンの目標を教えてください!

杵渕:
 チームとしては、プレーオフの出場権を獲得できるリーグ戦4位以上。さらに、決勝ラウンドに進出し、リーグ優勝。そして、2部リーグのチームとの入れ替え戦に出場することを目指しています!

今シーズンは新型コロナウイルスの影響により2部チームとの入れ替え戦は実施されませんでしたが、例年だと決勝進出した時点で、2部の下位2チームと入れ替え戦が行われています。

 選手としては、シーズン通算で20ポイント記録を目指します。20ポイントという数字は、2部に行ける明らかな証拠になります。また、チームのなかでリーダーシップを発揮し、チーム全体をいい方向に引っ張っていきたいです。

 人間としては、エンターテイナーになりたいです。エンターテイナーといっても、何か芸を披露したりするわけではなく、ファンの方々へ恩返しをしていきたいということです。

来シーズンから少しずつ観客を動員して試合が行われると思います。その状況になったら、フィンランドに住んでいる日本人の方々に試合を見に来てほしいです!今シーズンファンの方から、「もし試合あったら見に行きたいです!」という連絡をいただきました。そのような方々との関わりや繋がりを大切にしていきたいと思っています。ゆくゆくは、スポンサーさんの力をお借りして、ホーム戦は日本人の入場料を無料にしたいと思っています。

日本人の方はフィンランド首都圏に住んでる方が多く、たくさんの人が試合を見に来ることができます。そこでファンの方同士でも交流を深め、分ランド在住の日本人の寄り合いの場をつくれたらいいなと思います。そのためにもまずは、日本企業をスポンサーとして獲得しないとですね!!

画像3

ーーーーーーーーー

杵渕選手自身のことだけではなく、ファンのことや日本におけるアイスホッケー界の盛り上がりなどを非常に大切にしていることが伝わってくるインタビューでした😆

そして、現役選手で、ここまでアイスホッケー界を盛り上げていこう!と思い、行動しているのはとても素晴らしいなと感じました。

是非とも大手日本企業とのスポンサー契約を結び、杵渕選手の思う素敵な環境をつくれるようになることを願っています😌🌈

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次週は、オフシーズンインタビューの最終回です‼︎
現役日本代表の三浦優希選手にお話を伺いました🙌🏻

次回もお楽しみに😆🌻

❇︎いいね、コメント、シェアお待ちしております‼︎

村上綾

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?