流行体感から読み解くサービス未来予測 流行予想シリーズ ~車の自動運転編~
私たちは「モノ」や「サービス」を選択する際、「みんなが使っているかどうか」を目安にすることがあります。「みんな」とは果たして誰でしょう?よく考えると極めて曖昧なイメージであり、感覚的なものであることがわかります。しかしその空気が私たちの行動を決める1つの要因になっているのも確かなことです。
本シリーズでは「みんなが使っている」という空気感を頼りに、今と近未来の流行の予想をしてみたいと思います。
23回目は「車の自動運転」を取り上げます。ドライバーの負担軽減だけでなく、交通事故や渋滞の減少、環境問題の解決にもつながるといわれている自動運転。どのくらい普及しているのかという現状から、これから先の流行がどうなっていくのかを探っていきます。
1.「車の自動運転」の現状と認知度
ドライバー(人間)の代わりに自動車のシステムが運転を行う「車の自動運転」。現状はハンドル操作、アクセル・ブレーキ操作の補助や、高速道路など特定の条件のもと、システムが運転操作をするというところまで実用化されています。将来的には完全な運転自動化を目指し、取り組みが続けられています。
バスやタクシーなどの公共交通機関は除き、「車の自動運転」の現状について調査したところ、主な結果は以下でした。
・車の自動運転の認知率は全体で95%
・「知っているし、利用している」という現在利用率※は全体で10%
・「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率※は全体で13%
※利用経験については、バスやタクシーなどの公共交通機関は除き、自分や自分以外の人が運転する自家用車などを含めて「自分が乗る車」として回答いただきました。
「車の自動運転」の認知率は、全体で9割超でした。男女別で比較すると、男性が94%、女性が95%とほぼ差はみられませんでした。年代別ではすべての年代で9割超となりました。
「知っているし、利用している」という現在利用率は全体で10%、「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率は全体で13%でした。利用経験率では、女性よりも男性のほうが高く2割弱。現在利用率も同じく男性のほうが高く、1割超。どちらも年代による差はみられませんでした。
2.どのくらいの人が利用していそう?~現在の流行体感~
次に、「車の自動運転」を利用している人※が、現在身の回りにどれくらいいると思うかを想像して答えてもらいました。グラフにある流行体感スコアは、100人中どのくらいの人が利用していそうかをスコアとして算出した数値です。
※バスやタクシーなどの公共交通機関は除き回答いただきました。
その結果「車の自動運転」の流行体感スコアは全体で「11.7」で、およそ8~9人に1人が利用しているイメージを持たれていることがわかります。
年代別では、ほぼ差はみられませんでした。
3.1年後はどうなるか~近未来の流行予想~
次に、「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が利用している※と思うか」を想像して答えてもらいました。
グラフにある流行予想スコアは、100人中どのくらいの人が1年後に利用していそうかを算出した数値です。
※バスやタクシーなどの公共交通機関は除き回答いただきました。
「車の自動運転」の流行予想スコアは全体で「23.0」で、およそ4人に1人が1年後に利用していそうというイメージ。現在の流行体感から比較すると、1年後には今の約2倍浸透しているというイメージになります。
男女別にみると、スコアに大きな差はみられませんでした。年代別では、男女ともに30~50代に比べて10~20代のスコアが高くなっています。
「車の自動運転」を半数くらいの人が利用していそう/誰も利用しないであろう、それぞれの意見をご紹介します。
4.自分は利用してみたいか?~今後の利用意向~
次に、今後の利用の意向※について回答してもらったところ、利用意向がある人の割合(「ぜひ利用してみたいと思う」「機会があれば利用してみたいと思う」の合計)は全体で57%となりました。
※バスやタクシーなどの公共交通機関は除き、自分や自分以外の人が運転する自家用車などを含めて「自分が乗る車」として回答いただきました。
男女別にみると、男性のほうが女性よりもやや高めの割合です。年代別では、男女ともに10~20代のほうが30~50代よりも利用意向がある人の割合が高く、もっとも高いのは10~20代男性で65%でした。
一方、利用意向がない人の割合(「あまり利用してみたいと思わない」「まったく利用してみたいと思わない」の合計)は、全体で22%でした。
「車の自動運転」の利用意向がある人/ない人、それぞれの意見をご紹介します。
5.「車の自動運転」は今より約2倍伸びる!?
ここまでの主な数値をまとめてみました。2023年1月17日時点、「車の自動運転」の認知率は95%、現在利用率は10%でした。
流行体感としては、“およそ8~9人に1人が利用している”イメージを持たれているようです。そして、今から1年後には、現在の約2倍にあたる“およそ4人に1人くらいが利用していそう”というイメージを持たれています。
男女年代別にみると、利用意向は10~20代男性で他の層よりも高く、65%の利用意向がありました。流行体感スコアでは、男女ともに大きな差はなく、年代による差もほぼみられませんでした。
1年後の流行予想スコアでは、男女ともに30~50代に比べて10~20代のほうが高くなりました。
将来的に利用が進んでいくとみられる「車の自動運転」は、全体で9割以上の人が認知しているものの、現在利用している人は約1割。「長時間の運転の負担が減る」「事故のリスクが減る」などの前向きな意見がみられる一方で、「自動運転への不安がある」「価格が高いイメージ」「運転する楽しみがなくなる」といった声もあがりました。車の自動運転の利用が、今後どのくらい広がっていくのか注目ですね。
【調査について】
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の18~59歳男女
実施時期:2023年1月17日~2023年1月18日
有効回収数:2108サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なる場合があります
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