流行体感から読み解くサービス未来予測 流行予想シリーズ ~スマートスピーカー編~
私たちは「モノ」や「サービス」を選択する際、「みんなが使っているかどうか」を目安にすることがあります。「みんな」とは果たして誰でしょう?よく考えると極めて曖昧なイメージであり、感覚的なものであることがわかります。しかしその空気が私たちの行動を決める1つの要因になっているのも確かなことです。
本シリーズでは「みんなが使っている」という空気感を頼りに、今と近未来の流行の予想をしてみたいと思います。
22回目は、スピーカーに向かって話しかけると、質問に答えてくれたり依頼に応じてくれたりする「スマートスピーカー」を取り上げます。音声を認識して声で操作ができるため、手が使えないときや離れた場所からでも利用できます。このサービスがどのくらい普及しているのかという現状から、これから先の流行がどうなっていくのかを探っていきます。
1.「スマートスピーカー」の現状と認知度
「スマートスピーカー」は、音声対話型のAI(人工知能)アシスタントに対応しており、「AIスピーカー」とも呼ばれています。代表的な商品として、Googleアシスタントが搭載された「Google Home」やAlexa(アレクサ)が搭載された「Amazon Echo」などがあります。
スマートスピーカーに声をかけると、ニュースや天気を読み上げたり、音楽を再生したり、スケジュールやメモを入力したりといったアクションを実行してくれ、連携しているサービスによっては、インターネットショッピングの注文や対象家電の操作なども可能です。
「スマートスピーカー」の現状について調査したところ、主な結果は以下でした。
・スマートスピーカーの認知率は全体で80%
・「知っているし、利用している」という現在利用率は全体で12%
・「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率は全体で16%
「スマートスピーカー」の認知率は全体で約8割でした。男女別や年代別でみても、認知率の差はほぼみられませんでした。
「知っているし、利用している」という現在利用率は全体で12%、「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率は全体で16%となっています。利用経験率では、女性よりも男性がやや高く、10~20代男性の利用経験率がもっとも高く22%でした。現在利用率も同じく男性のほうがやや高く、こちらも10~20代男性が他の層と比べてやや高めの割合でした。
2.どのくらいの人が利用していそう?~現在の流行体感~
次に「スマートスピーカー」を利用している人が、現在身の回りにどれくらいいると思うかを想像して答えてもらいました。グラフにある流行体感スコアは、100人中どのくらいの人が利用していそうかをスコアとして算出した数値です。
その結果「スマートスピーカー」の流行体感スコアは全体で「14.0」で、およそ7人に1人が現在利用しているイメージを持たれていることがわかります。
流行体感スコアは、女性と比べて男性のほうがやや高くなっています。
3.1年後はどうなるか~近未来の流行予想~
次に、「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が利用していると思うか」を想像して答えてもらいました。グラフにある流行予想スコアは、100人中どのくらいの人が1年後に利用していそうかを算出した数値です。
「スマートスピーカー」の流行予想スコアは全体で「30.1」で、3人に1人が1年後に利用していそうというイメージ。現在の流行体感から比較すると、今の約2倍浸透しているというイメージになります。 男女年代別でみても、各層で大きな差はみられませんでした。
「スマートスピーカー」を1年後に半数くらいの人が利用していそう/誰も利用しないであろう、それぞれの意見をご紹介します。
4.自分は利用してみたいか?~今後の利用意向~
次に、今後の利用の意向について回答してもらったところ、利用意向がある人(「ぜひ利用してみたいと思う」「機会があれば利用してみたいと思う」の合計)は全体で43%でした。
男女別でも差はみられずほぼ同率でした。年代別では、男女ともに10~20代のほうが30~50代よりも割合が高くなりました。
一方、利用意向がない人の割合(「あまり利用してみたいと思わない」「まったく利用してみたいと思わない」の合計)は、全体で32%でした。
「スマートスピーカー」の利用意向がある人/ない人、それぞれの意見をご紹介します。
5.「スマートスピーカー」は今より約2倍伸びる!?
ここまでの主な数値をまとめてみました。2022年11月21日時点、「スマートスピーカー」の認知率は80%、現在利用率は12%でした。現在利用率は1割台ではあるものの、男性のほうが女性よりもやや高くなりました。
流行体感としては、“およそ7人に1人が利用している”イメージを持たれているようです。そして、今から1年後には、現在の約2倍にあたる“およそ3人に1人くらいが利用していそう”というイメージを持たれています。
男女年代別にみると、利用意向は男女ともに10~20代で他の層よりも高く、特に10~20代男性で高い割合です。また、流行体感スコアは男女ともに年代による差はないものの、男性のほうが女性よりもやや高くなっていました。
1年後の流行予想スコアでも、男女ともに年代による差はほぼみられませんでした。
音声だけで手軽に操作できる「スマートスピーカー」は、全体で約8割の人が認知しているものの、現在利用している人は1割強となっています。「声で操作できて楽」「家電と連動させられて便利」などの前向きな意見がみられる一方で、「スマートスピーカーで特にしたいことがない」「価格が高そう」「スマホで十分」といった声もあがりました。スマートスピーカーの今後の機能拡充や、どのように利用が広がっていくのか注目です。
【調査について】
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の18~59歳男女
実施時期:2022年11月21日~2022年11月23日
有効回収数:2108サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なる場合があります
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