設立5周年を迎えたLincが見据える次の5年
2021年6月6日をもってLincは創業5周年を迎えることができた。また今年は僕自身も30歳になり「而立の年」という節目を迎えた。この5年間の振り返りと共にここ最近の自身の変化や次の5年を見据えた際に思うことを書いてみたいと思う。
この5年間の会社の成長と変化
この5年間を数字で振り返り、初めてLincがどれだけ大きく変化したか分かった。
最初の3年間100%だった退職率が直近2年間では10%以下に。またフルタイムメンバーは5人から25人と5倍になった。業務委託のパートナーやインターン生等を入れると100名近くの組織にまで成長した。
そしてユーザー数も500倍以上になり、我々が何よりも大切にしているユーザーコミュニティの形成もすこぶる順調で最近ではオフラインイベント1か月前から応募しないと申し込めないというかつてないほどの活況ぶりだ。
インバウンドタレントの日本における大学進学をサポートするLinc Study事業では提携する日本語学校法人の数が2019年時点までで4校程だったが、直近一年間で27.5倍の110校まで伸びた。
更に直近では課金ユーザーや課金ユーザーの親によるリファラルが圧倒的に増えただけでなく、感謝の言葉を頻繁に頂いており、数字に表れている以上にユーザーからの信頼を肌で感じ取れるようになった。
結果、Linc Studyのトップラインは当時と比べ50倍以上になった。
日本政府は「高度外国人材の受入れに関する政策評価」の冒頭部分で下記のように述べている:
「第4次産業革命の下での熾烈なグローバル競争に打ち勝つためには、優秀な外国人材について、より積極的な受入れを図り、イノベーションを加速し、我が国経済全体の生産性を向上させていく」
一方で現実は厳しい。卒業後日本での就職を希望するインバウンドタレントは全体の7割を占めるが、実際就職できたのは半分の35%のみ。そして自身が感じる課題として全体の5割が「企業等に外国人を採用する意思があるのか分からない」「日本の就職活動のルールが分からない」であり、企業側も「採用したいが育成コストが高く、5年以内に75%が退職している」等と育成やミスマッチに苦しんでいる。
少子高齢化により人手不足が深刻化する中、優秀なインバウンドタレントが日本に残れない事は国にとっても、企業にとっても、そして彼ら・彼女ら本人にとっても損失でしかない。
Lincは将来日本で働きたい優秀層インバウンドタレントのと企業との出会いを作り、日本におけるファーストキャリアを支援すべくLinc Intern事業を昨年度立ち上げた。
Linc Internは早速旧帝大や早慶を中心にトップ層のインバウンドタレントに登録される様になったほか、北京大学の学生等将来日本で働きたい中国トップクラスの大学の学生も登録してくれて企業とマッチングすることができた。
また、Linc Internの最大の特徴はただ単にマッチングするだけはなく、ユーザーに対しては、情報、コミュニティ、スキルアップ、キャリアデザイン、マインドセット構築と多岐にわたり個々人の社会人基礎力を総合的に高め、企業に対しては採用戦略の策定から毎月のアフターサポートを通じた丁寧な定着支援、モチベーション管理等を提供し、企業のマネジメント・育成コストの削減に貢献している点だ。
導入企業数は着実に増えており、インターン期間は平均で7か月以上、そして30%のユーザーが最終的にインターンした企業に就職した。非常に高い数字だと思う。
優秀なインバウンドタレントを通じて事業を加速させたい企業様、是非気軽にお問い合わせください。
近々(6/17夜)では、多国籍メンバー組織の成長課題を乗り越えている優秀な起業家をお招きし、組織成長の”壁”と多国籍のメンバーのマネジメントノウハウについて議論します。多国籍メンバーが増え、価値観や文化背景が異なる中でいかにコミュニケーションをとるか悩んでいる方、今後多国籍メンバーを積極的に採用していきたい方は是非ご参加の程お待ちしております。
この5年間の反省
会社の成長や変化だけに目を向けると順調そうに見えるが実際そんなことは全く無い。むしろ反省点の方が100倍多い。
2016年年末、プロトタイプしか無い中で作った会社の事業計画を見返すと、自分の見積もりの甘さには呆れを通り越して笑ってしまう。
事業計画通りなら今年には1,000億円以上で上場している。
仮にも僕は投資銀行の出身で事業計画含めファイナンス全般は何なら得意領域だと言ってよい。にも関わらずだ。
また近年解像度が劇的に高まったとはいえ、当時構想していた戦略や事業展開の大枠は今と大差はない。
では何が問題だったのか。
行きつく答えは「組織力」の差だ。
「一人」の非力さと強い「組織力」の凄さ、そして強い組織こそ最大の競争力である、これがこの5年の最大の気づきだ。
当時の僕はマネジメント面では自分自身の力を過信し、メンバーを完全に信頼していなく、最悪自分で何とかするという考えを持ち、パフォーマンスで自分の理想を下回ると怒り、メンバーをマイクロマネジメントしていた。
むしろずっと嫌だと思っていたマネジメント像にいつの間にか自分がなっていた。
また事業面では結果を出すことに焦り、焦りから短期的な視野に囚われ、何事も自社ファーストで考え、「全体的に勝つ」ではなく局部的勝利に執着していた。結果メンバーが疲弊しただけでなく、自分もかなり消耗し、組織の崩壊を招いた。
僕は何故か悩んでる時は海を見たくなる習性がある。創業当初のオフィスは両国にあり、今はオフィスが神田にあるがどちらも海は無いため、代わりに良く隅田川の畔で、そして神田川の畔で悩んだ。
ただ悩んでも仕方無いので「何故こうなったのか」の原因究明と同じことを繰り返さない施策の策定を考える事に徹底した。
何故こんな焦っていたのか、いま冷静に振り返ると当時はビジョンの実現に全力を向けるのではなく、所謂他人でも分かりやすい事業の「成功」を通じて自分を証明したかったんだと思う。
要は欲求とエナジーがコトでは無く、自分自身に向かっていたのだ。
この反省を生かし、そもそもLincは何を成し遂げたいのか、ビジョンと組織創りに徹底的に向き合った。日々如何にユーザーの理想を超えられるかを考え、コトに全力に向き合うと、いつの間にか他人の目線なんて全く気にならなくなるから不思議なものだ。
まだ道半ばだが、今Lincは素晴らしい人材が仲間になり、活躍できる組織になったと胸を張って言える。互いが背中を預けれる、心から信頼し合える仲間達だ。
直近一番嬉しかった事はうちのPMが「私は自分が起業したつもりでLincで働いてます」と発言したことだ。これは本当に嬉しかった。「メンバー一人一人が強い主人公意識を持ち、それぞれが実現したい価値を実現できる舞台と帰属意識を持てるコミュニティ」Lincをそんな組織にしたいと常に思っていいた。
今は大分長い期間神田川に行っていない 笑
次の5年を見据えて
人が言う事を「信」と書く。この5年間で様々な失敗をしてきたが、諦めたいと思ったことは一度も無い。
「あるべき未来」を信じ続ける事、そしてビジョンを言い続けること、には拘り抜いてきたつもりだ。
少子高齢化と深刻な人手不足という抗えない大波が押し寄せる中、いかに優秀層のインバウンドタレントを獲得し、日本全体の生産性向上に寄与するかは100年後の日本の競争力を左右する最大のテーマの一つだ。
次の5年、Lincは一人一人のユーザーと素直に向き合い、一つ一つの課題と愚直に向き合い、全ステークホルダーがLincのサービスに対し「安心、信頼、帰属、幸福」を感じられるべく、事業を進化させていく。
そしてインバウンドタレントの「日本に来て良かった」を最大化させ、多様性と包容力溢れる社会を必ず実現する。
僕はこれからも言い続ける。
最後に
信じてくれる家族、仲間、株主に恵まれたからこの5年間、諦める事なく頑張ってこれました。
今までLincに関わってきた全ての方にこの場を借りて心からお礼を申し上げます。
皆が繋いでくれたタスキをこれからも途切れる事無く僕達は確実に未来に繋いでいきます。
最後の最後に二点だけ!
①まだまだベンチャーフェーズのLincでは共に未来の5年を創っていける仲間を大募集しています!少しでも気になる方、是非気軽にご連絡ください!!!
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スタートアップ、日中ビジネス、資金調達、マネジメント、自己啓発関連をメインに日々を気づきを呟いているので、良かったらTwitterフォローしてください!
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