プラ業界で30年。感じたジレンマと LIMEXとの出会い
TBMで働く人たちを知っていただくための社員インタビューシリーズ。今回は2019年5月にジョインし、開発、SCM(サプライチェーン・マネジメント)、海外プロジェクトで活躍しているSCM本部本部長(2022年2月以降)の川上さんをご紹介します。※所属や業務内容は、インタビュー当時(2020年6月)のものです。
プラスチックのプロフェッショナルとして
前職は富士通グループの中でプラスチックの射出成形を取り扱う会社に在職していました。
入社当初からPMMA(アクリル樹脂)やPC(ポリカーボネート)などの透明な樹脂を用いて、LEDの点光源を面光源に変える導光体を開発し、パソコンや携帯電話などに使用するバックライトを製造してきました。
その事業は部品単体からアッセンブリ製品に広がり、射出成形だけではなく、シルク印刷、塗装、接着、溶着、シートの製造、裁断加工、板金加工、レーザー加工、更には自動化が進むに連れ、CNC加工、6軸の多関節ロボット、双腕ロボットなど様々な複合した加工手法を取り入れる業務に従事してきました。
また携わった事業がグローバル化していくに連れて、台湾、韓国、中国と現地合弁会社を設立し、0→1の立ち上げに携わり、現地での事業展開に注力していきました。気がつくと既に新卒入社から30年の年月が経っていました。
世界で加速するプラスチック規制というジレンマ
TBMとの出会いは、前職の時に、私の元にLIMEXの成形試作の依頼が来たのがきっかけです。最初はただの材料試作だと思いました。ただよくよく聞いてみると、射出成形機ではできるけれどプラスチックではないと聞きました。
「この素材はなにでできているの?」と聞き返したところ、「石灰石からできている素材です」と。
ここ数年、プラスチック規制の動きは世界で急速に加速しています。ただプラスチック業界に身を置いて、プラスチックの規制を進めること自体が、自分達の事業を縮小する方向になりかねないというジレンマもありながら、プラスチック使用量削減や再生材の活用に取り組んできました。
そんな中でLIMEXに出会い、これを世の中に広めていくことが、プラスチック問題に貢献できる。その業務に関われることは素晴らしいし、ワクワク出来ると思ってTBMに飛び込む決断をしました。
グローバル展開のために”効率的に製造し、物流する”というミッション
海外での使い捨てプラスチック使用の規制や、マテリアルリサイクルの推進からも、LIMEXは日本国内には留まらず、全世界で求められています。そのLIMEXを“日本で生産し国外へ輸出する”モデルでは、環境負荷やコストの観点からもメリットがあるとは言えません。
世界各国に埋蔵されている石灰石。その地で採れた石灰石を使って、近くでつくり、近くで消費する。これが一番QCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)の観点から判断しても優位性があります。そのためにも、当社のSCMチームは、”効率的に製造し物流する”ことを目指しています。
転職して感じたギャップ、TBMならではの魅力
一番のギャップは何においても判断が早いこと、逆に早く判断をしないと取り残されてしまうことです。TBMはまだまだベンチャー企業であることには変わりありません。ただし売上規模や社員数は年々拡大しており、その拡大路線を突き進むには、これまでの時間軸の概念を、リセットしなければなりません。
12月のことを”師走”といいますよね。お経をあげるために師僧が東西を馳せ走るからともいわれていますが、TBMはまさに毎月が”師走”のような感覚です。
開発、生産、SCM部門で活躍するのはどんな人か
開発部門であるテクノロジーセンター、生産部門の各工場、そしてSCM部門に限らず、どの部署にも共通することは、TBMで活躍する人は、何事に対してもポジティブで、いろんなことに興味を持ち、全力で立ち向かえる人、と自分自身で思っています。今の自分のポジションに満足できずにいるならば、ぜひともTBMの扉を叩いてみてほしいです。
これからの展望
コロナ禍が収束を迎えつつある昨今、ソーシャルディスタンスが求められ、物の使い回しを懸念する動きがあるとはいえ、限りある資源を垂れ流す様に使ってよいということにはなりません。むしろコロナ禍が収まった後は、地球環境に対する意識はより高くなっていくといわれています。LIMEXはその状況を打開できる素材であることは間違いないと思っています。
LIMEXを様々な製品に活用し、地球への環境負荷をできる限り低減していくことが、TBMの使命であると考えています。そのために何ができるのか、何を皆さんに供給できるのか、よく考えていきたいと思っています。