『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』読書メモ
コーチングを学び始めたのは、自分の質問力を高めたかったから。
そこから私の興味は、社会心理学やデザイン思考などなど、とどまるところを知らずに広がっている。
そして、あらためて「問いとは?」と思った時に出会ったのがこの『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』だった。
コーチングの視点から
自分がコーチングをするときに「どうしたら効果的な問いになるか?」を、相手の話を聞きながら同時並行で考えているわけなのだけれど、その過程を一つ一つ分解して深堀して展開したのがこの本。と言っても過言ではないと思うほどに、問題を捉える思考法(素朴思考、天邪鬼思考、哲学的思考など)などが自分が意識的・無意識的にやっていることをなぞらえていた。
問いが思考と感情を刺激することや、
対話を通して問いに向き合う過程で個人の認識が内省されること
などは、
「訊く」ことでクライアントの心の中を整理していくコーチングそのもの!リフレーミングのテクニックも、まさにコーチング。(私自身は、コーチングの効果はかなりの部分リフレーミングからくると思っている。)
「そうそう、そうなのよ!」と本に向かって何度思ったことか。
ただし。
筆者は本書の中で、コーチングの「質問」を「情報を引きだすトリガー」と整理している。私は、コーチングは「情報」を引き出すのではなく、考えを深めてもらうための問いかけであり、コーチもクライアントも知らないものを引き出すものだと思っているので、そこは一致していないかも。
ファシリテーションの視点から
読んでいて、自分の会社での会議のやり方へのインスピレーションを得ることができて、ワクワクしてしまった。
「問題」と「課題」の違い、課題の設定の重要さ、「良い課題」とは?
また、よい会議・ワークショップをするには、その課題について検討しつくし、どんな設定であればより有意義な時間になるのか、事前に検討=デザインすることがいかに大切かがよくわかった。
私自身が会議等を開くときにいつも感じている「恐れ」=人の時間を無駄にしていないか、有意義なものになっているか、という点にビンビンに響いてくる。こんなに奥深いからこそ、会議のファシリテーションは、生半可な気持ちではできない。
でも、自分が取り組みたい課題について、一度力いっぱいやってみたい気もする。