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随筆系日記Vol.02「夏の終わりにヒヤシンス」

    Photo by Mukuko Studio on Unsplash          
気づけばもう8月も尻尾が見え始めてきた。
昨夜、ヒヤシンスをガツガツと食べるという不思議な夢をみた。味も甘かったという記憶がある。
車のラジオで「夏の、終わり~」と歌う歌が聴こえ、ああ、夏ももう終わるのか、と感じていた昨日になぜヒヤシンスを食べる夢を見たのかは本当に謎である。

ヒヤシンスとは以下のような風貌をしている。

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                   Photo by meriç tuna on Unsplash
高校生の時、ヒヤシンスに一目惚れをし、球根ごと買って、一時期育てていたことはよく覚えている。
ヒヤシンスの見た目、香り、そして何よりも名前の由来に惹かれていた。
語源はギリシャ神話まで遡る。
ヒュアキントスという美少年がアポロンと円盤投げをして遊んでいた。それを見て嫉妬したゼピュロスが風を吹かせると、円盤がヒュアキントスの頭にあたって死んでしまった。その時ヒュアキントスから流れ出た血はヒヤシンスとして姿を変えたらしい。(※あくまで筆者が覚えている内容)

ヒュアキントスとアポロンとの同性の愛。そしてゼピュロスの嫉妬という人間的な態度。ギリシャ神話は神々の話であるのに、無理に崇め奉られることのない、等身大の姿を想像することができ、親近感を持つ。

大学に入り、心理学などを齧ることがあったが、そこでナルシシズムやエディプスコンプレックスなど
ギリシャ神話から取られている言葉が意外にもあるということに驚いた。
悲劇が花の名前や心理学用語になってしまうのだから、やはりギリシャ神話は多くの人に親しまれていることに間違いない。

この写真は、筆者が撮影したものでおそらく国立西洋美術館で開かれた「ミケランジェロと理想の身体展」の時に撮ったラオコーン像。

ラオコーン像


ラオコーンもギリシャ神話の悲劇の一つ。
ギリシャ神話の悲劇に思いを寄せた夏の終わりであった。

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