【読書感想文】アドラー式「言葉かけ」練習帳
著;原田綾子
心に刺さる刺さる
私には1歳の娘がいるのですが、最近とんだおてんばということが発覚し、先日はたった5分トイレに行っている間に砂糖をぶちまけ、塩をぶちまけ、挙げ句の果てには米をぶちまけてありました。たった5分の間にこれら全てのものを見つけ出し、蓋を開け、パーティーを開くとは。なるほど恐れ入ったと感心していたところです。
しかし、私もできた人間では無いので、疲れている時などはどうしてもそうおおらかには居られず、つい余計な口を出してしまうこともしばしば。鬼母です。
このままでは娘に良く無い、何かいい方法は無いものか…と、図書館へ行った際に目に入ったこちらの育児書。言葉がけの難しさを感じていたところだったので、読むことにしました。
読んでいくと、内容は少し年齢が上の子どもを持つ保護者の方が対象に書かれていたのですが、1歳児を持つ私にも方法や心構え等は十分活用できそうでした。本作の中で私が参考にしたいと思った部分等を抜粋し、感想文としたいと思います。
周りの大人の言葉が子どもをつくる
“自分のイメージ”ってなんとなく想像つきますよね。例えば、私は「頑張り屋」「無理しがち」「頑固」「真面目」「気は効かない」「素直」「ずぼら」そんなところです。
本を読む中で、このイメージって自分が客観的に見てそう思ったものばかりじゃなくて、今まで生きてきた中で誰かに言われた言葉もあるなぁ、と気付きました。
「頑固」ですが、私は確かに決めたことは曲げない子どもだったので、よく母から「頑固だねぇ」と呆れられた覚えがあります。
「真面目」は、昔の担任から言われた記憶が。
「頑張り屋」は、忘れてしまいましたが、大好きな親戚か誰かから言われて嬉しかった覚えがあります。
パッと挙げた自分のイメージの約半分は、誰かから言われた言葉でした。つまり、大人が与える言葉の影響は、もう三十路のオバハンになったとしても長く続いているものなのだなぁと、少し恐ろしくなりました。
日本には昔から「言霊」という概念があります。美しい言葉はいい影響をもたらし、逆に傷つける言葉は周りを不幸にするというもの。私が大人から言われた上記の言葉は、実際自分もそう思うので、当時の大人達はよく見てくれていたなーと思いますし、傷つくものでもないので特に気になりません。
しかし、これがもし「のろま」「いじわる」等、傷つけるような言葉だったとしたらどうでしょう。子どもは素直なので、そのレッテルを大人から貼り付けられた子は、実際にそうなっていくのでしょうね。
言葉の持つ力、侮れません。
上か、横か
①「やってくれたんだ!えらいね!」
②「やってくれたんだ!ありがとう!」
似て非なる上記の言葉。ここで親の立ち位置をイメージしてみると、①は上から②は横から言っている様なイメージができます。昔は①の育児が主流だったんじゃないかと思いますが、時代とともに育児も変化していくものですね。
上記のような、誉めることと勇気付けること(認めることともいうのかな?)は、似ているようで全く違う様です。アドラー心理学に基づく育児の方法としては、親子は横並びであり、結果を認めるのではなく、そこに至った過程を認める事に重点を置いているそうです。
例えば一生懸命勉強したけど、望んだ結果にならなかった時。
結果を見れば「残念。合格できなかったね」ですが、
過程を見れば「あれだけ一生懸命勉強できるなんて!」となりますね。
できなかったことよりできたことを。
結果より過程を。
「当たり前」も素晴らしい。
我が子なんかこないだ生まれて何もできなかったのに、もう砂糖も塩も米も探してぶちまけられるようになりましたよ…!生きてこんなに成長してくれてありがとう!(血涙)
お前は何様だ?
親が子どもについ言ってしまう言葉NO.1「早くしなさい」
うちはまだ娘が幼いので早くする環境下には無いのですが、これから先保育園に入れたり、自分も再就職したりすれば、確実に一度は言うでしょうね。
現在も離乳食をぶちまけられたり、1片付けたら100散らかされると「もう…どうして…」とつい言ってしまいたくなりますよ。
全ては親と子どものペースの違いが根底にあるそうです。親はなんでも出来ますし、淡々とタスクをこなすことができます。それはこれまでの人生経験の賜物です。
しかし、子どもは人生経験も浅く、全てが実験と発見で冒険の毎日。一つの事に裂く時間がまるで違うのです。
そこで「早くしなさい」なんて言われたら、なるほど確かにブチギレますね。今一生懸命やってるところなのに!お前は何様だ!?と私の娘は常に思っていることでしょう。
心配したり、不安になったり、焦る気持ちは子どもには言わずとも伝わる様で、その気持ちが子どもの可能性を潰したり制限するそうです。
自分でも子供育ててるととんでもなく難しいと感じるのですが、
先回りしないでとにかく待つこと
心掛けていけたらと思います。
子どもは花の種
なんて素敵な例えだろう、と思いました。
「子どもは花の種のように、既に全てのものを持っている。色も形も芽を出したり花を開く時期も、全部が準備されて生まれてくる。誰と比べることもなく、自分のペースで咲かせればいい。向日葵、百合、牡丹、菫を比べても、みんな違うから比べようがない。皆それぞれの良さを持っていて、自分の良さを伸ばしていけばいい」
この言葉で、
親が育児を特別頑張ることなんてないんだな、
導くのではなく、応援係であれば良いんだな、
と気が楽になりました。
いつ我が子の花が咲くか、どんな花か、今からとても楽しみです。
まとめ
最後に、自分が本作で特に為になった言葉をまとめておきます。
周りの大人の言葉が子どもをつくるからこそ、丁寧に慎重に
横並びの目線で。
できなかったことよりできたことを。
結果より過程を。
「当たり前」も認めていく。
心配や不安が子どもを制限する。
子どもには言わなくても伝わる。
先回りしないで待つ。
家庭に先生はいらない。応援係でありたい。
怒ってしまっても挽回はできる。きちんと謝る。
命令や賞罰ではなく、気持ちを伝えたり、子が選択できるような言葉がけを心掛ける。
自分が言われて嬉しい言葉で。
自分自身のことも大切にしていく。
以上、言葉がけに迷った時には参考にしていきたいと思います。
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