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ロシアのウクライナ侵攻とエネルギー問題

ロシアのウクライナ侵攻が始まって2年。
ロシアを取り巻く世界情勢は大きく変化した。
テレビの報道で見るウクライナ侵攻は、攻撃された街や人の話が連日クローズアップされている。しかし、実際にはどれほどウクライナ情勢の構造を理解できているのだろうか?

そもそもなぜロシアはウクライナを侵攻したのか?
ロシアが領土を拡大するため?それとも歴史的背景を持つ民族争いが一端となっているのだろうか?

さまざまな理由があるが、エネルギー資源をめぐる観点から見ると現実的な背景が見える。

まず初めに、ロシアという国について説明したい。ロシアはエネルギー資源大国だ。特に天然ガスの生産は世界トップクラスで、これを欧州や中国といった外国に輸出することで外貨を稼いでいる。日本ももれなくロシアから天然ガスを輸入している。
天然ガス産業は、ロシアの国民生活を支える基盤となっている。

ウクライナは地理的にヨーロッパとロシアの間に位置している。そのためウクライナには、ロシアがヨーロッパへ天然ガスを輸出するパイプラインが通っている。これはソ連時代ロシアとウクライナが同じ国だった時からあるものだ。ソ連崩壊後、ロシアの国営ガス会社はウクライナに対し、ウクライナ国内にあるパイプラインの管理を要求。これをウクライナが拒否したため、両国の関係性は悪くなっていった。
また、パイプラインが停止したことで、ロシアはハンガリーやフランス、イタリアへ天然ガスを輸出できなくなる事態になった。

また、ロシアは天然ガスだけではなく、石油の生産量もアメリカに次いで2位となっている。資源大国のロシアにとって、原油の価格が上がることは収入が増え国民の生活が潤うことを意味している。
そして皮肉なことに、紛争が起きると原油価格が上がり、ロシアは儲かる仕組みなのだ。
現在のプーチン大統領はこの仕組みを利用して国民の生活を改善させ、国民からの圧倒的な支持を得た。
今回のウクライナ侵攻にも、そういった狙いがあるものとみられる。

前述したような背景もあって、ウクライナへの報復的な面もあり侵攻を開始した。
ウクライナはロシアにとってそれだけ重要な意味を持っている。
また、エネルギー問題は国際秩序にも密接に関係する問題なのだ。
先の大戦でも、日本はエネルギー資源の確保に後手を取り、敗した。戦争を繰り返さないためにも、エネルギー問題を考えることは重要だ。

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