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貪欲で嫉妬深く性悪な自分と向き合う。ショーペンハウアー著「幸福について」を読んで。

前回、ショーペンハウアーの「読書について」を読んだ。とても思慮深く、私の心にグッと刺さるモノがあったので今回もショーペンハウアーの本を読んでみた。タイトルは「幸福について」


「幸福について」を簡単に要約

この「幸福について」を自分なりに簡単に要約してみると、

・幸福になるためには、健全なる身体に宿る健全な精神が最も重要であること(気高い性格、有能な頭脳、楽天的な気質、心根が明るいなど)
・人間の幸福にとって無病息災がずば抜けて大切。自分の健康を犠牲にするのは愚の骨頂である。
・自分自身の中に見出す楽しみの源泉が多いければ多いほど、それだけ幸福になる
・善良で穏健で柔和な性格であれば、貧しい境遇でも満ち足りて幸福。貪欲で嫉妬深く性悪だと、どんなに富があっても満足できない。

凡人と何らかの才能がある人の違いについても結構書かれているのだけれど、残念ながら(?)私は明らかに凡人タイプだった・・笑
心に沁みる言葉ばかりで、本文がマーカーだらけになりそうなくらい。何回も何回も読み直してじっくり考えたい一冊。30歳なる前の29歳のこの時期に、この本に今出会えてよかった。

難しすぎて、自分の中に腑に落ちない内容も多々あったけれど、これからの人生経験で理解できるようになるのかな。。。

幸福を感じるためには健康が一番大切

この「幸福について」で出てくるキーワードとして多く出てくるのが(今私がパッと思い出せるもの)「健康」「孤独」「余暇」「知的活動」「外部」「内部」かな。

特に「健康について」の内容は私は看護師だったこともあって、そして自分自身が幼少期から病気がちであったため、よく理解ができた。幸福と感じるには、まず「健康」が一番だということ。身体だけじゃなくて心も。心身ともにバランスがとれていることが前提なんじゃないかな。

「ひといちばい敏感な人(HSP)」にも読んでほしい一冊

でも、心の陽気さは健康だけに左右されるものではなく、どんなに健康に恵まれていても憂鬱な気質や沈みがちな気分もありうる。感受力が異常に大きい人は、周期的に過度の陽気さが現れたり、憂鬱が基調になったりするらしい。

最近よく聞く「ひといちばい敏感な人」がこの「感受力が異常に大きい人」なのかなと思う。周りの刺激を受けやすい人。私もその一人。この気質はなかなか変えることができないので、上手く付き合っていくしかない。特にひといちばい敏感な人が、この「幸福について」を読むと、何か生きる上でのヒントが見つかると思う。

この本を読んで自分の仕事について考えた

私はこの本を読んで、やっぱり健康であることの重要性に改めて気づかされた。だから、今までやってきた看護師の仕事は間違っていなかった。自分の気持ちの持ちようと、働き方が自分に合っていなくて適応障害になったのかもしれない。冷静になって考えてこれなかったので、その他もいろんな原因があったので分解していく。

「健康が一番大切」ということを軸に「人の健康に関わっていく仕事」をやっていきたいと強く考えた。別に看護師の仕事ではなくてもいいけれど、看護師になったのも何かの縁なのかな。

自分の生活は幸福といえるだろうか。自分は貪欲で嫉妬深く性悪だと気づかされた。

私は今の自分の生活は「幸福」といえるだろうか。とふと考えた。もしかしたら幸福と思っていないから、この本を手に取ったのではないだろうか。人間だれしも「よりよく生きたい。幸福になりたい」と思っていると思う。でも私は、過度に幸福について期待しすぎていた。もっとお金があったらいい場所に住めたのに。もっと陽気な性格だったら友達が多かったのに。。。。

本を読み進めているうちに、自分にないことばっかり探し求めていたことに気づいた。本当に自分は貪欲で嫉妬深く性悪だなと思った。でもそんな自分に気が付けてよかったと思う。そんな自分も自分なのだから。

自己肯定感が低いと自分がしんどくなる。幸福から遠ざかる気がする。


「よりよく生きたい」という理想が勝手に暴走して欲が果てしなく続いていた。結局、自分に満足できなければ、どんな富があっても永遠に満足しないまま、不満ばかり言って死んでしまうのだろう。何かを手に入れたからと言って、幸せになるのではない。ようは自分自身の気の持ちよう。自己肯定感が低い私は、他人と比べたり嫉妬深かったり、プライドが高く、貪欲になることで生きていけたのかもしれない。

自己肯定感が低いからこそ、もっと頑張らないと、もっとよりよく生きたいと貪欲に生きていけることもあるから一概に自己肯定感が低いことは悪ではないと思っている。でも、自己肯定感が低いと、自分自身がしんどくなる。だからそんな自分でもいいんだよって自分で自分自身を癒していく必要がある。これからずっと一生この自分と付き合っていくために。

自分の考えを揺さぶられる本でした

この本は、自分の考えを揺さぶられる本。幸福とは何か。。とにかく本当に考えさせられる1冊。読み応え抜群なので読んでみてほしいです。

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