入社1年、再び「集団の最後尾」に戻り、ドライバーハンドルを握る
こんにちは、池田(@sayurii_cs)と申します。LayerXではkoyurinと呼ばれています。スプラトゥーン3が大好きでほぼ毎日やっています。
2021年11月にLayerXへ入社し、1年が経ちました。
今日はここ1年の自分の環境や、そこで感じた心の変化について書いてみます。
特に以下にあてはまる方には、何かお持ち帰りいただけるポイントがあるかもしれません。
転職や異動、職種転換など新しい環境に移る予定の方
新しい環境に移ったが、思うように成果が出せなくてモヤモヤしている方
LayerXで働く人や、30代前半スタートアップ勤務者のリアルな心境にちょっと興味がある方
集団の最後尾から始まったLayerXライフ
私は石黒さんのnoteで紹介されている「集団の最後尾」という言葉がお気に入りです。
この言葉に出会ったのはLayerXへの転職を決めた後ですが、その時の「コンフォートゾーンを抜けたい」「自分よりはるかに経験豊富なプロ達に囲まれながら視座を上げて働きたい」という思いが端的に表現されています。
入社後の自分の状況の変化
入社から半年は「二周目」と言えるプロフェッショナルなメンバーと肩を並べ、周囲との経験差に少しでも近づき、爆速の事業スピードに振り落とされないよう、常に健全な焦りを感じながら走ることができていました。
またSaaS領域のCSとして経験を積み上げつつ、横領域である既存顧客向けのクロスセル領域へのチャレンジの機会をもらうこともできました。
組織が急激に大きくなりチームの規模が拡大する中で、私はあっというまに在籍の長いメンバーになりました。
恵まれた環境であることは間違いないのですが、徐々に「集団の最後尾ではなくなってきた」感覚が芽生え、「今のままで本当に良いのだろうか、入社当初の思いとは違うことをしているかもしれない」というモヤモヤを抱えるようになりました。
非SaaSプロダクトへの異動、再び最後尾へ
そんな中で、2022年10月からPaymentチームのCS担当として異動することを伝えられました。
バクラク事業部のビジネスサイドは、THE MODELに準じたMK-IS-FS-CS体制を基本としています。
一方、Paymentチームは現在バクラクビジネスカードのサービス垂直立ち上げを行うために、既存チームとは別の横断(縦断?)組織として置かれています。
直近数ヶ月以内にPaymentチーム付けで入社したメンバーを中心に、あまり接したことがない方が多く所属していました。決済や金融ドメイン、Bizdev経験者も多く、再び最後尾に戻れるワクワクを感じていました。
事業・チームの課題
私が異動したタイミングのバクラクビジネスカード事業は、正式リリース直後より順調に顧客を増やしつつも、いくつか課題を抱えていました。
3が特に自分が一番解くべき課題ではあったのですが、当時は事業として1-2が一番のissueとなっていたようでした。
(初期はやはり顧客獲得してこそなので当然ですが)
拾うべきボールが見つからない
新しい環境に身をおく際、今までの私は「落ちているボールをクイックに拾いながらキャッチアップする」「お客様と沢山話して顧客心理を叩き込む」というスタイルで動いてきました。
ですが、落ちているボールは前述1-2の顧客獲得の部分が多く、そちらに自分なりに寄与しようと取り組みつつも、3については「ボール」としてはっきり見えるものが足元に見当たりませんでした。
「決済額が伸びない」というファクトが仮にあったとしても、それは「事業目標に対する進捗が悪い」という粒度の大きい話です。
当時は自分が拾える単位のボールである「顧客はどうやってカード決済に至るのか」「その上で超えるべきハードルは何か」ということはわからない状態でした。
チームに入っても自分が最もすべきことはなにかわからないまま、ウロウロしている感覚がありました。
ひとまずは法人カードドメインの基礎を学びつつ、並行してお客様と話しファーストピンを見つけたかったのですが、カードは担当FSがつき商談経由で入る利用申し込みと、お客様からの直申し込みが両方あり、また従来のバクラクのSaaSとは違いCSへの引き継ぎ体制もまだ固まっていませんでした。
そういった中でお客様から「なぜ使われないのか、どうやったら使おうと思っていただけるのか」のアイデアをいただく機会を最初から一気に増やせない状況となっていました。
なにをしたらいいかわからない
お客様にお電話をかけ、やっと繋がった方に使い心地をお伺いしたり、決済や顧客属性のデータを見たり。各論は少しずつわかりつつも、色々な数字が何を物語っているかはつかめないし、ダッシュボードを眺めてもひらめきが生まれない。
拾うべきボールや倒すべきファーストピンが見えない、霧の中をずっと歩いているような状況でした。
また、今まで一緒に仕事をしたことがないチームメンバーが多く、「早く信頼残高を積まなければ」という焦りもありました。
徳が高くTrustfulなメンバーが多く皆「できることがあったら言ってね」と声をかけてくれるのですが、何を頭出しすれば力を借りられるのかすら思いつかず、うまく頼れずでした。
そんな中で突然、1週間の高熱が出続け病欠…というハプニングも加わり、心と身体のコンディションが保てない日々が続きました。
やりきっていないと「自責」を使い思考停止したくなる
やるべきことが多すぎて忙しくて参ることはあれど、やることがわからず、タスクが積めずここまで苦しい気持ちになることは10年を超えた社会人生活で初めてでした。
ビジネスパーソンである限り、「自責」はとても大切な考え方です。しかし当時の自分は、何も手を付けられないまま建設的でない方向に思考してしまっていました。
数値がうまく上がらない、上がっても要因がわからない、顧客ヒアリングを重ねたいができていない。そういったことは全て自分がなんとかすべきもの、出来てない状況ではただの言い訳だと思ってしまっていました。
言い訳と考え、それを避けるあまり、今振り返るとチームの定例でも正しく適切なレポーティングができていなかったと反省しています。
周囲からのフィードバックで、再び前を向く
半期に1回のTrustful Team Feedback(360度フィードバック)や、Mgrの方との1on1からアドバイスをいただき、現在は徐々に上記の思考から開放されつつあります。
特に、360度フィードバックでは複数の方から近い内容の意見をいただき、良くない自責(から生まれる遠慮)から生まれていた現状を自覚するきっかけになりました。
また、「自分でなんとかしないといけない。言い訳をしたくない」と思っていた部分も、気軽にメンバーに相談することであっさり改善策の実行へ向かうケースもありました。
改めて、チームで仕事をすること、皆で共通の目的に向かって動ける環境のありがたさが身にしみました。
また、ドライバーハンドルを握る
正直まだ成果らしい成果は出ていないのですが、こういった答えのない新しい環境に向き合うときの心持ちを得られたことは大きかったと思います。
自分の未熟さゆえの一連の悩みをご紹介しましたが、もしまたどこかで新しい環境やミッションを前に悶々としている未来の自分や、まだ見ぬ誰かへ少しでも力になれたら嬉しいです。
そして、少しでも共感いただけた方は一緒にドライバーハンドルを握りましょう。
またこのフレーズにピンときた方には、私の心の友 & splatoon friendでもあるchibakunの記事もおすすめです。
未来の仲間と出会えることを、心より楽しみにしています。
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