りくり

初めまして。りくりと申します。 何年間かのブランクがあるので、執筆リハビリ中です。 あ…

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初めまして。りくりと申します。 何年間かのブランクがあるので、執筆リハビリ中です。 あたたかく見守ってくださると嬉しいです。 好きな事は料理とねこ、そしてjazz。 スキやフォロー、コメントをお待ちしています。 どうぞよろしくお願いします。

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ヌワラエリアに恋をして(紅茶物語)<エッセイ>

 焼いた食パンにマーガリンを塗って手作りの桃のジャムを乗せる。今日の紅茶はヌワラエリアだ。沸かしたてで酸素をたっぷり含んだお湯を紅茶ポットに入れる。二分間そわそわと我慢をして、シャンパン色の紅茶をカップに注いだ。  買おうかどうしようかすごく迷った、シングルエステートのヌワラエリアの茶葉は、二年ほど前に雑誌の記事か何かで読んで以来まるで片思いのようにずっと私の心の中に微熱を持って居続けていた。  最近は紅茶の茶葉にこだわるよりも簡単にサッと飲めるインスタントコーヒーを

    • ワクチン接種旅行支援と有頭大海老の変身《エッセイ》

       コロナ禍で旅行支援キャンペーンを大々的に催していた時のこと。大阪の「いらっしゃいキャンペーン」を使って十三にあるホテルの四川中華レストランによく行った。そこは昔から美味しい中華で有名らしく、隠れ家的で根強いファンがいる。いつ行っても満員ということはほぼなく静かに美味しい料理を食べられるので、私のお気に入りの店だった。  旅行支援というのは驚きのサービスで、一泊のコース料理付きを実質千円から三千円ほどで楽しめたし、お土産のクーポンが一人につき三千円ほどあったので旅にお金をか

      • また小説を書くという決意表明《エッセイ》

         小説に触れる時間が多くなってくると、またむずむずと「小説が書きたい」という気持ちになってくる。  先日小説がとても上手い人を一人見つけてしまった。その人の創り出す世界観がとても好きなのだ。それに、件の彼女。彼女もその人とは少し世界観が違うけれど、もう、話の出だしから上手くて圧倒される。私のべたべたの作品とは別世界だ。  そんな涼やかな風が通り抜けていくような、読んでいて心地のいい作品や、直木賞作家の作品に触れると、書きたい気持ちがむくむくと湧き上がってくる。それでも

        • 急がば回れ、「書き写し」と「読書」に思うこと。《エッセイ》

           最近本の書き写しと読書を始めた。  角田光代の「くまちゃん」を書き写しながら、山本文緒の「ばにらさま」を読む。書き写しには時間がかかるし、作家のタイプが違うほうが飽きが来なくていいと思っている。そんなことを考えながら読み書きしていたら、なんと基本中の基本である段落の付け方を間違えていることに気づいた。  赤っ恥である。いくら心身ともに大変な時期にやっていたとはいえ、それはなかろう。正直なところ泣いた。恥ずかしくて泣いたのである。  過去に関わってきた人たちの多くが、思う

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        ヌワラエリアに恋をして(紅茶物語)<エッセイ>

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          友人への感謝と読書計画<自己紹介Ⅱ>

           今日、数年ぶりに本を読んでいる。  友人の心優しさに感謝しながら、山本文緒の「ばにらさま」を読んでいる。  彼女の元から逃げ出したのは数年前。  私自身がストレス過多の暮らしの中でまともな文章も書けなくなっていた時。  サイトに投下する作品にも酷いコメントが付き始めて、気持ちが滅入りに滅入っていた時。  彼女の書く小説は、本当にレベルが高くて読んでいて心が震えるような作品ばかりだったのもあって、萎縮し、自分に絶望して、「彼女」と「書くこと」に関わ

          友人への感謝と読書計画<自己紹介Ⅱ>

          庭に落ちた流れ星

           流れ星が私の実家の庭に落ちてきたことがある。  本当にあった話である。  私が二十代の頃の奈良の空は、まだ空気が澄んでいて夜空に星が瞬くのがよく見えた。    その時は、丁度流星群が来ていた時で、漆黒の空を見上げていると、一度に二、三個の流れ星が空を飛び交うのが見えるくらい賑やかだった。 「ロマンチスト」だった乙女の私は、あわよくば素敵な恋人を手に入れようと流れる星に願いをかけるために、縁側から一人で空を見上げていたのだった。  散々願掛けを繰り返して気

          庭に落ちた流れ星

          鉄フライパンで美味しい料理を

          鉄フライパンを購入して二ヶ月くらい経つ。 フッ素樹脂加工のフライパンは傷が付くと発癌性物質が出るという話で持ち切りだから、慌てて鉄フライパンを購入したのだった。 アイリスオーヤマの厚底三ミリの窒化鉄で作られたものを選んだ。 底が薄いとどうしても底部の変形は避けることができないし、窒化鉄製は油返しを毎回しなくてもいいようで、焦げ付きにくいというのが選んだ理由だ。 ただ厚底三ミリともなると、腕が反対側にぐにゃりと曲がりそうなくらい重い。 けれど使っ

          鉄フライパンで美味しい料理を

          サロンジプシー

          「髪を短く、軽くしてください」 いつもそう言ってヘアサロンに写真も持っていくのに、希望通りの髪型になった試しがない。 写真を見せて、 「後ろは短く刈り上げて、横は少し短めに耳にかけられるように」 と伝えてカットしてもらうのだけれど、毎回もわっとというか、もっさりした頭に仕上がる。 長い髪が鬱陶しくなってバッサリと切ってから早八年。 もっさりした頭やヘルメットをかぶったみたいな頭になる度、私の思っている髪型ではないとは言い出せなくて泣き寝入りする。

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          行きそこねた花見と夫の背中

          今日は夫と一緒に花見に行くはずだった。 なのに私は寝起きからすっきりとしていなくて嫌な感じだった。 夫は休日はいつも昼頃から出掛けるので、しぶしぶと九時頃から弁当を作り始めた。 弁当と言っても、卵焼きとタコウインナーに前の日の残り物のコロッケだけとおむすびを三つ。 簡単なものだから、二人分こしらえて三十分もかからなかった。 「何時から行くの」 と訊くと、 「午後一時から」 と呑気な返事が返ってくる。 前日からなぜか体が怠くて仕方がない私は

          行きそこねた花見と夫の背中

          私のタロット占い的中率

          タロット占いを始めたのは私が中二の頃で、何かの少女向け雑誌に付録として付いてきたタロットカードが、夢見がちだった私の心をするりと占領した時からだった。 説明書を見ながらあれこれと占っているうちに少しずつカードの流れが読めるようになってきたので、学校に持って行って昼休みに友人の恋愛占いをするようになっていった。 金銭を目的としていた訳でもなかったし、転校生ということもあって友人が少なかった私にとっては昼休みの時間を潰すにはいい道具になった。 頼まれれば深い事

          私のタロット占い的中率

          ローズマリーの人柄

          先日ローズマリーを植えた。 ローズマリーはパンや肉料理によく合うハーブの一種だ。 強い香りを持っていて、嗅ぐとなんだか懐かしいような気がしてホッとする。 丁度春先で苗が欲しいと思ったので、ホームセンターに行ってみたら可愛らしいのが売っていたので早速家にお迎えした。 十年ほど前に一度ローズマリーを植えたことがあって、子供たちのことにてんやわんやで放置していたにも関わらず、気が付いたら肥料も水やりもしないのに、雨水だけでぼうぼうに茂っていて驚いた。 香

          ローズマリーの人柄

          書きたい欲の始まりは、神様のお告げからだった。<自己紹介>

           ある朝、息子のお弁当を作ろうと四時に起きて、ソファーでぼんやりしていた時だった。  ピッシャーン!  突然頭の中に稲妻が落ちて、まるで映画を観ているように前頭葉の辺りで物語が展開されていったのです。  私はあまりの衝撃的な出来事に、この頭の中に映し出された映像は書き留めておかなければいけないんじゃないかと、息子のお弁当なんかは放り出して自分の部屋で書き出せるありたけをノートに書きなぐったのでした。  でも、それまで「書く」ということを考えたこともない私は、 「多分、

          書きたい欲の始まりは、神様のお告げからだった。<自己紹介>