転職をしたい。でもそれは今ではない。

「転職したい」と、ずっと言っていた気がする。

最初は25歳くらいの時。
趣味でダンスを続けていたこともあり、自分の体と心に向き合うことが楽しく、ヨガのインストラクターになりたいと思っていた。
現職の内容よりも率先して体については学びたいと思えたが、
ヨガインストラクターの資格を取って、教えられるところを探して、それなりに稼げるイメージがわかず、それは夢として消えていった。

次に思ったのは30歳手前の頃。
社内で異動となり、今までと全く違う職種となった。
それと同時に一般職から総合職に転換し、求められる仕事のパフォーマンスが一気に上がった。
(ゆるキャリ志向の私がなぜ総合職に転換したかはそのうち記事にしたいが、結論単純に酒に強く飲むのが好きで、おじさん上司にかわいがられるスキルが高かったからだけだと思っている)

それまでは6割くらいの力で働いていても18時ごろには仕事が終わり、
その後はダンスのレッスンに行ったり、友人と午前様まで飲み歩いたりして、そして実家に帰る生活をしていた。
それなのに突然1日12時間以上はオフィスにいて、そのせいでアフター〇〇なんてなくなり、しかも通勤時間が長くなったことと長時間労働のために自分でワンルームマンションを借りて一人暮らしを始め、ただ帰って寝るという生活に発狂しそうであった。

そんな生活が嫌すぎて異動したいと思ったが、さすがに1か月で異動するというわけにもいかず、
また総合職として見られることも嫌で一般職に戻りたいとも思ったが、正しい言葉かはわからないが「降格」にはそれなりの事情も必要で、それは難しかった。

それではと思い、「事務職」や「一般職」といった敢えての「キャリアダウン」を目指した転職をしようと思った。
しかしそのうち慣れたり、諦めたり、上司が変わったり、市況が変わるうちに気持ちが落ち着き、転職欲も落ち着いた。

当時の彼氏(現・夫)が日に日にボロボロになる私を心配して、そして私も逃げたい一心でトントン拍子で結婚の話も決まった。
今はかわいい娘もいるので、なんだか結果オーライだったようにも思う。

そして今、また転職したい。
理由はいくつかある。

まずは現職の業界の先行きが不安だということだ。
曲がりなりにも10年以上勤めていれば、なんとなく業界のことはわかってくる。そして気が付いたのは私が入社した時点ですでに、我が業界のビジネスモデルは破綻していたのだということだ。
さすがにつぶれたりはしないと思っているが、未来が明るいとは思えない。
既に経費削減削減、人件費カット。新規プロジェクトを立ち上げる体力はあまりなく、既存のメンテに予算は割かれ、そして時々役員の鶴の一声で莫大な予算が動く。そんな印象だ。
生き残るためには相当な変革が必要だが、業界の体質的にそれも厳しいと思う。
10歳くらい上の先輩たち以上はなんとか逃げ切れるかもしれないが、自分の世代は正直厳しいと思っている。

次に社内の制度について。
比較的女性が多い会社のため、産休・育休や時短勤務など制度は整っており、取得率も高い。
しかしながらそれゆえ、結局配慮されてしまいマミートラックに嵌ってしまう人が多い。嵌りたくなければ保育園の延長を駆使して残業が必須だ。

そして他社の友人に話すと驚かれることが多いのだが、現職では「時短勤務をしていると人事評価の対象外」となる。
つまりは働いても働いていなくても評価は「無」
次のキャリアを描きたかったり、昇格を目指したければ兎にも角にもまずは「時短解除」をしてからね、ということである。
私が入社した頃は役職があると時短勤務は実質認められず、どうしても時短制度の利用が必要だった人は人事に泣きながら訴えたと聞いたこともある。
さすがに今はそれはなくなったが、「時短は早期解除。解除しなければ1人としてカウントしない」という状況は続いている。
ちなみに所謂大手企業のため時短解除が必要なのは人材不足だからではないと思っている。持てるもの持たざる者の不平等感への配慮か。

そしてこれは私の夢なのだけれど、自分の強みをもっと伸ばして、
会社にしがみつかなくともやっていけるだけのスキルをつけたいと思っている。
(その強みや好きはなんなのかは自己分析中で、そのためにインターンに参加してみたりコーチングやキャリアカウンセリングを受けたりしている。)
現職では異動も多く、スキルが身に付く前に異動となってしまったり、突然のキャリアチェンジなんていうこともある。
そして組織が大きすぎて個人の裁量がどうしても小さく、なかなか「これをやった」という実感が持ちづらい。インターンでスタートアップ企業に参加したが、スピードも速くまずは実践。そのため結果が出るのも早く、「考えるよりやってみる。それでだめだったらその時考える」というスタイルが自分には合っていて面白かった。

そうやって転職したい理由はいろいろある。
職歴1社のみ。30代前半。こどもひとり。転職するにはそんなによい条件ではない。希望するのであればそろそろ本気で。

でも、今ではない。今はできない。
それは「もう一人産みたい」からだ。

私が20代後半だったら、今転職していたと思う。
それで数年働いて30歳かそこらでもう一人産む。そしてその後はキャリアを途切れさせず働く。うん、ちょうどいい。

でも私は30代だ。ぎりぎりアラサーだと思っているけど、そろそろミドサー。できたら高齢出産にかかる前に産み切りたい。
夫も年上だ。一人目も不妊治療をして授かっている。
今度はもう少し時間がかかるかもしれない。すんなり妊娠できるつもりでいるけど。

優先順位を葛藤しながら考えた結果、
私はまずは現職に時短で復職することにした。
復職面談で何も聞かれなかったし、役職なし・時短希望の私にはどうぞどうぞとマミートラックが用意されていると思う。

それでもできることはある

「ワーママとして働いた実績」
「働きながらの家事・育児スキル」

そして今はありがたいことに会社以外にもスキルを向上させられる環境がある。時短勤務だからできる少しの時間の余裕で、育休時と同じように自宅でビジネススキルの向上につながる挑戦をすればいい。このnoteも然り。

一社に新卒から定年まで勤めるような時代でもないし、パラレルキャリアなどともいわれて軸を1つにする必要もない。
ある意味では10年以上働いた実績のある会社で安定・時短制度・そこそこのお給料を貰いながら他で鍛錬するのも悪くはない。

「こうでなくてはいけない」と決めつけずに、
流れに身を任せて、その場その場でできる限りのことをしていれば
いつか点と点は繋がるのではないかと思っている。繋がって欲しい。

つらつら書いているうちにさっきこの記事の2/3くらいが消えた。
叫んだ(娘が寝ているから本当は叫んでいないけど)
何事も一筋縄ではいかないものだなぁと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?