😞今から夏バテ対策（第Ⅱ弾）、質の良い睡眠 & 食べ物を紹介

　睡眠には、浅い「レム睡眠」と深い「ノンレム睡眠」の2つがあります。
身体は休んでいるが、脳は活発に動いているのが「レム睡眠」、身体も脳も休息状態にあるのが「ノンレム睡眠」です。最初は「ノンレム睡眠（段階1→2→3）」が出現後に、「レム睡眠」が続きます。　
　ノンレム睡眠の3段階目が「深睡眠」と呼ばれる最も深い眠りです。
「寝始めから3時間の睡眠の質」、最初の3時間の間に「2回以上 ノンレム
睡眠」の深睡眠が訪れると、多くの疲れが取れると言われています。
「質の良い睡眠」とは適切な睡眠時間がとれて起きた時に体の疲れがとれたと感じる「睡眠休養感」です。
　この「睡眠休養感」について、アメリカで行われた調査（40歳～64歳の
働き盛りの世代）で睡眠が5時間半未満の「睡眠休養感」が低いと感じる方ほど死亡リスクが高まると報告されています。
　厚労省は、健康的な睡眠のための指針を示し、睡眠による休養を十分
取れていない人が増えているとして、世代別に推奨する睡眠時間を
新たにまとめています。
世代を「子供・成人・高齢者」に分けて
・成人に推奨する睡眠時間 ➡ 6時間以上
・子どもに推奨する睡眠時間 ➡ 小学生は9時間～12時間、中学生・高校生は8時間～10時間
・高齢者に推奨する睡眠時間 ➡ 寝床にいる時間（床上時間）が8時間以上にならないことを目安に必要な睡眠時間を確保
　高齢者ほど寝床に入っている時間が長いことが分かっています。睡眠時間は短くなるのに寝床にいる時間が長くなり、眠れぬまま寝床でうつらうつらしている時間が増えると睡眠の満足度も低下してしまいます。
　日本睡眠学会では、「高齢者の理想的な睡眠時間：5〜7時間」としています。これは、九州大学が行った「福岡県久山町在住の65歳以上の住民を対象に行った久山町研究」で認知症の発症リスクが「5時間以下」や「8時間以上」の睡眠は認知症リスクが上昇し、「睡眠時間5〜7時間のケースが最も
認知症になりにくかった」との結果に基づいています。
必要以上に長い睡眠（9時間以上）は、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めることになります。
　アルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβと言うたんぱく質が異常に蓄積することで起こると考えられています。健康な人でも脳内に アミロイドβが出来ますが、身体も脳も眠っている「ノンレム睡眠」の時に脳内から排出されるという特性を持っています。
　睡眠時間が長いのは一見良いことのように見えても、高齢者に多く見られるような睡眠の質が低下した状態では、アミロイドβを脳から除去されにくくなってしまいます。
　定年などを迎えて日中の用事が減った高齢者では、昼夜のメリハリがなくなってくる方、昼からダラダラ横になっていたり、頻回の昼寝は、睡眠の質を悪化させると認知機能が低下する原因になります。

🟦質の良い眠りには・・・
　眠っている時にエアコンや扇風機の風にあたり続けていると、夜中に何度も目が覚めてしまい睡眠の質が悪くなります。眠りやすい室温の目安は26～28℃前後、湿度50～60%です。快適な室温・湿度になるように設定温度を
調節しましょう。
🟦昼寝をするならば10分～20分
　眠気のピークは、体内時計の影響で「深夜から早朝」と「昼過ぎ、昼の
2時頃～4時頃」の2回あるとわかっています。昼過ぎに眠くなることは、
ある意味自然なこととも言えます。
さらに昼間の眠気を感じる理由として、食事後のインスリン分泌による効果もあります。食後には食べたものを分解するための機能としてインスリンが分泌され、血糖値が低下した結果、眠気が生じるのです。
　朝食を食べていない人は、前日の夕食から長い時間にわたり、ブドウ糖が不足した状態です。朝食を食べた人よりも、血糖値は急激に上昇して余計に眠気が出てくることになります。
　昼寝の効果的な時間には、10分～20分程が良いとされ、
ポイントは ①眠気の解消されること、②起きた時すっきりしており、作業
効率が上がることです。適切な昼寝は「パワーナップ(積極的睡眠)」と呼ばれ、仕事のパフォーマンスを高める睡眠とされています。
　昼寝をした後に眠気が低減される効果は、3時間持続するという研究結果があり、12時半〜13時頃のお昼休みの時間帯に短時間の昼寝をすると、夕方近くまで眠気を感じにくくなるという計算になります。
　昼寝後のパフォーマンスを、さらに上げるならば、昼寝をする前に
☕コーヒー・緑茶を飲むのがおすすめです。
　飲み物中のカフェインが体内に吸収されるのは、飲んでから約30分後、
そのため昼寝から目覚めたタイミングでカフェインの効果が表れ、
すっきりと仕事に取り組みやすくなります。
　昼寝を対象とした研究で、67歳以上の高齢者が、13時〜14時までの間に
20～30分の昼寝を取ったところ、夕方の居眠りが減少し、夜の中途覚醒が減少したというものがあります。昼寝によって夕方に眠気がやってきて寝落ちを避けることで、結果的に夜の睡眠の質が良くなったという事です。
　30分を超えて仮眠を取ってしまうと深い「ノンレム睡眠」に入り、起きた時にぼーっとしたり、かえって疲労感や倦怠感が増幅してしまう可能性が高くなります。

🟩良い睡眠に向けての食べ物
　トリプトファンと言うアミノ酸は、脳内でセロトニンをつくります。
このセロトニンは、脳や身体をスッキリ目覚めさせる作用のあるホルモン、日中はこのホルモンの働きにより活動的に動くことができ、夜間にかけて
セロトニンはメラトニンというホルモンに変化し、身体は休息モードに入ります。
　トリプトファンは、体内で作り出すことのできない栄養素です。
主にタンパク質に含まれており、トリプトファン摂取が少なければ、
規則正しい生活を送っていても質の良い睡眠が出来ないもあります。
　トリプトファンが多く含まれる食べ物は、豆腐・納豆・味噌の大豆製品、かつお・まぐろ・牛肉・🥚卵・牛乳や穀類、🍌バナナです。
また興奮を抑え、心身をリラックスさせる働きのあるGABA（ギャバ）を含む食べ物を取り入れることもお薦めです。
GABAは、発酵食品・キノコ類・雑穀類・🍅トマトなどに多く含まれます。
これからの寝苦しい時期の睡眠対策、考えてみて下さい❗