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老いと、エントロピー増大の法則

老いていくのはこわい。

でも自分もいつかは必ず死ぬし、それは誰にでも避けられないことです。

私たちは一秒一秒、生の終わりに向かっています。

考えたくないことだけど、これは物理の法則でも分かっていることなんです。

その原理とは、エントロピー増大の法則です。

ほとんどの人は聞いたことがない言葉だと思うので、できるだけ分かりやすく説明します。

今回は、数式は出てきません。


エントロピーとは


エントロピーとは、一言で言えば「乱雑さ」です。

どれだけ乱れているかを、表しています。

本当はもっと厳密な定義があるんですけど、話を簡単にしたいので、エントロピーは「乱雑さ」を表すものだと思っていただければ十分です。

エントロピーの話としてよく出てくる例が、部屋の状態です。

部屋が散らかっている状態はエントロピーが大きくて、部屋が綺麗な状態はエントロピーが小さいと言えます。

エントロピーは熱力学で考えられた物理量で、蒸気機関を研究していた物理学者によって生み出されました。


エントロピー増大の法則


今回の話でもっとも重要になる法則です。

これだけでも覚えてくれたら、書いてよかったなと思います。

エントロピー増大の法則とは、文字通りエントロピーが増大していくという法則です。

つまり、すべてのものは、乱れた状態へと変化していきます。

外からエネルギーを加えない限り。

動物が食べ物をたべるのは、エネルギーをとってエントロピーが増大するのを、少しでも止めようとしているからです。

栄養を取らないとエントロピーが増大するのを食い止められなくて、すぐに死んでしまいます。


部屋で例えると、
自然にしてたら部屋ってどんどん散らかりますよね。

掃除をするというエネルギーを加えることで、ゴミ屋敷にならずに済みます。

それでも少しずつ、部屋は乱れていきますが。

これと同じで人間も老化を遅らせることはできるけど、若いときの状態をずっと維持するのは不可能なのです。



老いていくこと


シワが増える。髪の毛が減る。活力がなくなる。

僕はまだ22歳ですが、このような老化はいつか経験することです。

若さを失っていくのは、こわい。

人間は得ることの喜びよりも、失うことの悲しみの方が大きいことが分かっています。(心理学も趣味で勉強していたので、知りました)

だから、多くの人も老化に対してネガティブなイメージを持っているのではないでしょうか。

鏡を見て自分の顔が年老いてきたのを、嘆いたり。

でも、実は老化に対してネガティブなイメージを持っていると、人生の満足度は下がります。

それは、この本を読んで知りました。


老化をありのままに受け入れている人は、幸福度が高いんです。

僕のおばあちゃんが、そう。

「ローマは一日にして成らず」をもじって、「老婆は一日にして成らず」と言っていました笑。

帰省したときに会いますが、本当に幸せそうなんですよね。


老化に対してのネガティブなイメージも、エントロピー増大則を知ると、少しは無くなるのではないでしょうか。

そう思って、今回はエントロピーのことを知ってほしかったんです。



まとめ


今回は、老化について物理の視点から考えました。

どんなに容姿端麗な芸能人であっても、どんなに裕福な億万長者であっても老いは等しく訪れます。

それはエントロピー増大の法則からは、誰も逃れられないから。

そして、老化に対してネガティブなイメージを持って欲しくないと思って、エントロピー増大の法則の話と老化をつなげました。

「老化に対して悪いイメージを持つな」とただ言われても、すぐには受け入れられないと思います。僕もそうでした。

でも、エントロピー増大の法則を知っていれば、老化を受け入れやすくなるのではないでしょうか。

今回の記事が、そんな内容になっていれば嬉しいです。

ちなみにエントロピー増大の法則は、熱力学第二法則とよばれるぐらい物理学の中では有名な法則です。

ヨビノリたくみさんが、エントロピーについて分かりやすく解説していたので、貼っておきます。



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