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イギリスでコロナに罹りきつねうどんが無性に食べたくなる

コロナに罹っていないわけがないと思った。
Rから、昨夜熱が出て今朝自宅で検査したら陽性だった、という連絡が入った時。

私とRは、だいたい毎週日曜日にリバプール近くの町まで空手の稽古に出かける。
いわゆる出稽古というやつで、いつもの道場ではないところだ。
空手のことやRのことはまた別に書くから、それはともかくとして、Rの車で片道一時間弱だ。
Rは話し好きだ。
イギリスではほとんどの人がマスクをしない。
ということで、Rも私もマスクをしないまま、狭い車内でみっちり二時間、口角泡を飛ばしてとまではいかなくても、まあまあよくしゃべりながら過ごした。
それが7月24日日曜日のこと。

7月25日早朝に携帯のWhatsAppがピンと鳴り、Rから「陽性だったよ」の連絡が来た時点で私はなんともなかった。
だけど、昨日のドライブでコロナになっていないわけがない、もし感染していなかったら逆に私すごい、と変にすぐさま観念した。
私はすでにコロナに感染している。
絶対に。
腹をくくってスーパーに水や食料などを買いに出かけた。
前の週にNHSへ登録を済ませていたことも、少しは安心材料だった。
NHSというのはNational Health Serviceのことで、基本的に医療サービスを無料で受けられる。
ロンドンオリンピックの開会式でも取り上げられ、イギリス人の誇りだといっていいだろう。
とはいえ、よっぽどの重症にでもならなければ、基本的に家でじっとしていなさいStay Home、というのがイギリスのやり方だ。

結局、37度からマックス38.1度の熱が丸三日続き、咳と鼻水と頭痛も多少はあったけれど、まあそれだけですんだ。
三回ともに40度近い熱が丸二日続いたワクチンの副反応よりは、よっぽど楽だった。
もちろんNHSのお世話にはならなかった。
結局、自分で検査もしていない。
でもきっとコロナに違いない。
私にうつしたRは、私より先に回復していた。
その週の土曜日の稽古にもうさっそくRが行こうとしていたので、それはやめといた方がいいだろういくらなんでも、と私はWhatsAppで伝えた。

日本食レストランで食べると1500円くらいするかも

回復したら、無性にきつねうどんが食べたくなった。
ゆでうどん4パック=£4.95(約820円)、めんつゆ300ml=£3.05(約500円)、稲荷寿司の皮10枚入り=£2.25(約370円)をチャイニーズ・スーパーマーケットで調達した。
中国のみなさま、日本人のことまで考えてくれてありがとう、と心底思った。
ねぎはSpring Onionと名前を変えて、どこのスーパーでも安くで手に入る。

今回のように海外で病気になった時もそうだけど、つらいことがあった時でも寂しい時でもなんかいろいろ耐えられそうもない時でも、ある程度の調理の技術や知識があって、そこにあるモノでなじみのモノが作れると、いろいろのり切れるのではないだろうか。
今回のきつねうどんは、とくに技術だの知識だのというほどのものでもないけど。
ともあれ、こんなに身体にしみるきつねうどんはなかった。

カバー写真:Peterborough(2022年7月10日)


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