見出し画像

突然、仕事が干された

40代前半に長く勤めた会社が倒産。大した資格もない事務員の私に働けるところはなかなか無かった。ネットの求人にはあちこち登録したし、週に何度もハローワークに通った。
ある月は70通も応募して全滅だった。年齢的にも難しいところがあったのだろう。

次に決まったのは半年後だった。正社員として迎えてくれた会社だったが、この会社で鬱病を発症し、辞めることになる。この話は後日。

その次に勤めた会社は、マンガに出てくるようなお局様が罵声を飛ばす会社だった。ほぼ同時期に入社した女性は、半年を待たずに目眩や、眠れないなどの症状が出て、辞めていった。私も旦那の引き合いで紹介された上場企業の子会社に、半ば無理やり、転職させられた。

その会社で、最初の1年は順調に仕事をこなしていた。前任者が残していったゴタゴタを片付け、余分な仕事を整理し、簡素にすることで、営業の人にも喜んでもらっていた。私の上司は支店長で、潔い人だったから、きちんと理由を述べて人に負担をかけない事を話せば、書式の変更などは割と簡単にOKがもらえた。「今までが悪すぎた。やってみて良くなかったら戻せばいい」と言って、後押しをしてくれていた。

そこに会社の合併話が沸いてきた。事務のやり方が全く変わってしまったのだ。私は今まで総務だったので基本、総務だけやっていたけれど、今後は本格的な経理をやらねばならなくなった。
仕事量は3倍になって、毎日21時まで残業するようになって、ミスも目立つようになった。
経理は苦手。数字は全く苦手な私。わからないことは経理の人に逐一聞いてメモを取る。
経理が得意な派遣社員さんが入ってきたのだが、
この人が曲者で、1を聞けば10を知る人なので、
私の拙い説明にイライラして、周りの人がドン引きするくらいに明らかに正社員の私を見下げていた。
そこに持ち上がったのが、支店の金庫の額が、本店で把握している額と違うという大問題だった。
いつからかは、わからない。私の代からか、それ以前か…とにかく遡って私が引き継いだ時点までは、修正もして、ピッタリにしたんだけど、これで合わないってことは、この前段階で合ってなかったと言えるだろう。

ここで私は、『無能者』のレッテルを貼られてしまう。経理系の仕事は多かったし、総務としての仕事は少なかったから、庶務も交えて、あちこちの書庫の清掃や片付けをしたり、新会社に残しておくためのものと、破棄するものをわけて、整頓した。

こうして、いわば干された状態になり、半年後、隣の支店に移動になるのだけど、ここで大変なことになるとは思いもしなかったのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?