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『魔女の宅急便』が生まれた暮らし

今日オススメしたい本は、  こちら。

【『魔女の宅急便』が生まれた魔法の
くらし      角野栄子の毎日いろいろ】
      角野栄子  /  角川書店

ジブリ映画でもおなじみ、『魔女の宅急便』の作者である角野栄子さん。
数多くの作品を手がけ、2018年には国際アンデルセン賞(児童文学界のノーベル賞!)も受賞されています。

そんな角野栄子さんの日々の暮らしや考え、作品への思いなどを、豊富な写真と共に紹介しているこの本。

内容としては
 ① 角野さんの毎日
 ② かんたん 食いしん坊
 ③ おしゃれは大好き
 ④ 角野栄子 こんな人
と、4つのパートに分かれています。

たくさんの本棚にイチゴ色の壁、"いたずら描き"と呼んでいる壁絵のある仕事部屋、子供用の顔付きチェストとイスを置いた玄関、鎌倉をお散歩する様子、お気に入りの食器から簡単おいしい料理のレシピまで。
普段の様子がいろいろ見られて、非常に興味深いです。

特に印象深かったのは、おしゃれについて。
自分の体に合わせて仕立ててもらっているというワンピースに、オモチャのようにカラフルなネックレスと指輪。白髪に印象的なメガネ。その組み合わせが、とても素敵でおしゃれ!

私の印象としては、日本のシニア世代は、年を取るほどに地味な服になったり、おしゃれに無頓着になる方が多い気がするのですが、角野栄子さんの粋な装いは、ぜひ見習いたいところ。
こんな可愛い、オシャレなおばあちゃんに私もなりたい!

また、面白いと思ったのは、ご本人が手書きで紹介している『私の一日』。

 8:00  めだけねてる
 8:30  あさごはん   おそうじ
10:30  メールチェック   しごと
14:00  プチランチ
     (中略)
19:〜  いたずらがき  え
            いたずらがき  じ
            TV  ドラマ
23:00   TV  ニュース
00:30  おふろ or シャワー
 1:00  どくしょ  ミステリー
 2:00  スヤスヤ

まず最初の "めだけねてる" に、やられてしまいました(笑)
この表現の仕方、いいなぁ。めだけねてること、私も時々あります。

いたずらがきという言い方も、好きです。ここから、数々の名作の卵が生まれたりしてるんでしょうか?
また、けっこう夜ふかしなんだなぁと、同類の私としては勝手に親近感(笑)

実は私、角野栄子さんにお会いしたことがあるのです。
学生だった頃、講師をされていた先生の授業を受けていたのでした。
当時すでに、尊敬と憧れの存在であり、先生の作品を読んで育った私には、神様のような方。とても個人的に話しかけるようなことはできませんでしたが、今思うと、なんてもったいない!

実際にお会いした印象としては、穏やかに、にこやかにお話しされるけど、芯は強くしっかりとされていて、でも少女のような茶目っ気も垣間見える…
そんな感じでした。
時おり、魔女に会いに行った話など、興味深いエピソードを語っていただいた記憶があります。

また創作に関して、今でもよく覚えている先生の言葉は、とにかく「楽しんで書く」ということ。
書いている自分が楽しくなければ、読んでいる人も楽しめない、ということです。
これは、noteの記事を書くときにも通じるかもしれませんね。

この本の中で、久しぶりに先生にお会いした時も、やはり印象は変わりませんでした。
ご自分のお好きなものをよくわかっていて、丁寧に楽しみながら、日々過ごされている方なんだなぁ… と思います。

私も、こんな年のとり方をしたい。
『角野栄子の毎日いろいろ』
未来に向けて、私のバイブルとなるような、ずっと手元に置いておきたい一冊です。




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