「アナスタシア」で夢心地
先日、ミュージカル「アナスタシア」を観てきました。
初演の2020年3月。
ちょうどコロナが流行りだしました。
劇場の場所が、常に大混雑の渋谷だったこと。
同行するムスメにも、感染のリスクを背負わせること。
さんざん悩んだ末、泣く泣く手にしていたチケットをキャンセルしたのでした。
その後も、悔しい思いは完全に消えることなく、あ〜、観たかったな…と時折思い出していたのですが、今年なんと、ついに奇跡の再演!
キャストもほぼ同じメンバーで、こんなに嬉しいことはありません。
いざ、渋谷へ!
ダブルキャスト、トリプルキャストで演じられるため、どの日に、どの俳優さんの組み合わせで観るか、非常に迷いました。
ロシア帝国最後の皇帝、ニコライ2世の末娘として、幸せに暮らしていたアナスタシア。
しかし、革命によって一家は銃殺され、滅びてしまいます。
けれども、アナスタシアだけは逃れて今も生き延びていると、街では噂されていました。
パリに移り住んでいた祖母のマリア皇太后は、アナスタシアを探そうと多額の賞金を懸けます。
詐欺師のディミトリとヴラドは、記憶をなくした少女アーニャを利用して金儲けを企て、3人でパリを目指すことに。
同じ頃、アナスタシアの暗殺命令が下った将官のグレブもまた、後を追っていたのでした…。
ヒロイン役の葵わかなさんは、朝ドラや、ドラマ「三千円の使い方」で拝見して、可愛らしい俳優さんだなぁと思ってました。
ミュージカルの舞台で演じる姿は、可憐さはそのままに、伸びやかで迫力ある歌声は期待以上で、すっかり魅了されました。
気が強いけど、お茶目なところもあるキュートなアーニャ像は、葵わかなさんならでは。
わざと足を蹴るダンスシーンでは、笑いを誘っていました。
ラストで、身長差にトランクを利用するところや、そっと肩に頭をもたせかけるところなんて、もう胸キュン(笑)
赤いドレスも、とってもお似合いでした。
今回の舞台で印象的だったのは、背景に使われたプロジェクションマッピング。
舞台装置自体はシンプルなのですが、そこにリアルな街角や人影、自然の風景、炎に包まれ真っ赤に燃え上がる映像などが映し出され、臨場感溢れる舞台を作り出していました。
特に、パリに向かう列車のシーンでは、本当に走っているかのように景色が流れ、さらに列車自体も回転して、それぞれの登場人物にスポットを当てていくような演出もあって、プロジェクションならではの新しい見せ方に感心してしまいました。
令和のミュージカル、スゴイわ…。
他にも印象的だったのは、パリでバレエ劇を観るシーン。
両側にボックスシートが配置され、それぞれアーニャ達と皇太后らが座って、「白鳥の湖」を観劇するのですが、舞台上で、さらに舞台劇が同時進行するという二重構造が面白いと思いました。
しかも、なんとな~くのではなく、しっかり本物のバレエが観られて、お得感アリです(笑)
また、現在のアーニャと、過去の銃殺された一家との思い出が混じり合うシーンは、美しくも哀しい夢のように幻想的で、素敵でした。
実際は生きて動いているキャスト達が、ちゃんと亡霊のように儚く見えるというのも、演技力と演出力の賜物ですね。
素晴らしい舞台や映画などを観た後は、しばらく夢心地でフワフワしてしまい、現実に戻ってくるに時間がかかってしまいますが、「アナスタシア」はまさに、そんなミュージカルでした。
閉幕後のカーテンコールでは、スタンディングオベーションが起きて、拍手喝采。
2度のカーテンコールの後、場内が明るくなって終了のアナウンスが流れ、帰り始める人もいる中、それでも拍手は鳴り止まず。
最後にもう一度、葵わかなさんと内海啓貴さんの2人が出てきてくれました。
茶目っ気たっぷりにニコニコと手を振る姿に、こちらも笑顔をもらいました。
あ〜満足。ごちそうさまです(笑)
唯一残念だったのは、2階席だったので、顔の表情がほとんど見えなかったこと。
我が家に眠っている双眼鏡。
ここぞという時にすっかり存在を忘れていて、せっかくの出番果たせず…。
このままでは、のっぺらぼうのまま記憶に残ると思い、悔しかったので高額パンフレットを買ってしまいました。
予定外の出費なり…。
この日は、ダブルキャストの木下晴香さんが体調不良で、夕方の公演も葵わかなさんが演じられるとのことでした。
わずか数時間後に、再びあの舞台をもう一度最初からやるとは…!
俳優さんて、ホント体力勝負だなぁと感服してしまいます。
さてさて。
もうひとつのお楽しみ。
今回、ランチに利用したのは、ヒカリエ内の「CHEESE KITCHEN RACLER」。
チーズを楽しむ料理ということで、こちらをチョイスしました。
お肉もゴロンゴロン入っていて、美味しかったです。
セットのスープは、トマト味。
私、トマトは毎日食べるくらい大好きなのですが、なぜかトマトジュースは苦手でして。
このスープは、悲しくもトマトジュースの味がしたため、一口で断念しました。
しかし、そんな私のように、しょんぼりした人間に朗報。
こちらでは、シアターオーブのチケットを見せると、ミニデザートのサービスがあるんです。
しつこさのない、さっぱり味のソフトクリームで、食後にぴったりでした。
今回は、開演前で慌てて食べる感じだったので、次回はゆっくり楽しみたいなぁ。
オマケの話
久しぶりの渋谷で人混みに疲れ過ぎたのか、はたまたミュージカルに興奮しすぎたのか、この夜はほとんど眠れず困りました。
翌朝、ムスメも同じく、何時間も寝つけなかったことが判明。
親子で、何やってんだか…
刺激の強い1日だったようです。
その後、睡眠不足が仇となり、予約していたヘアカット中に睡魔に襲われ、ブローされながら半目で戦っていた女。
それは、私です。
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