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【ニュースで学ぶESG用語#09】「ネットゼロ」とは?

1. 用語解説

そもそも、「ネットゼロ」とはどのような定義で使われているのでしょうか。いくつかのサイトでの定義をまとめてみました。

「カーボンニュートラル」とは異なり、「ネット・ゼロ」を掲げる企業や国は、通常、第三者による検証や認証を受けていません。「カーボンニュートラル」と「ネット・ゼロ」の使い分けは、地域によって異なる場合があります。「ゼロカーボン」とは異なります。
Schroders
ネットゼロ(Net Zero)とは、温室効果ガスの排出量を正味(=ネット)ゼロにするという意味。カーボンニュートラルとほぼ同義であり、排出量をゼロにするのではなく、排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにすることを意味する。

2015年に採択されたパリ協定において、「産業革命以前と比較して平均気温の上昇を2度より十分低く抑えること、そして1.5度以内に抑える努力を続けること」、また「できる限り早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には温室効果ガス排出量と吸収量のバランスをとること」が示された。これにより、「2度目標」や「1.5度目標」、そして「2050年ネットゼロ」が、世界共通の目標として認知されるようになった。

以降、「ネットゼロ」は、明確なターゲット目標として広く受け入れられ、世界的に大きな潮流となっている。
IDEASFORGOOD

2. ニュース・記事でどのように使われるか

それでは、「ネットゼロ」という言葉が実際のニュースや記事でどのように使用されているのか、いくつか見ていきましょう。

国連と国際標準化機構(ISO)は2022年11月11日、温室効果ガス(GHG)排出量の「ネット(実質)ゼロ」を目指す企業や組織が参照可能なガイドラインを公開した。11月6日からの「COP27」(第27回気候変動枠組条約締約国会議)でも、「ネットゼロ」に沿っているようにごまかす「グリーンウォッシュ」に対処するための国際基準が求める声が高まっている。
Yahoo Japan
大学のGHG排出量削減目標は、スコープ1、2、3(直接排出、間接排出、その他の排出)全体に関し、2030年までに2013年比で34%減、2040年までに67%減、そして最終的にネットゼロにするというもの。約40,000人の学生や教職員が日々研究や教育活動を行っている東大は、東京都内でも大きなGHG排出源となっていて、この目標に到達することは簡単ではありません。しかし教育や研究の効用を減少させず、むしろ加速させていくことを目標に削減を進めていきます、と話すのはClimate Actionを作成したGX推進分科会の中心メンバーである未来ビジョン研究センターの菊池康紀准教授です。
東京大学


用語の意味を理解したうえで、実際のニュースや記事を読んでみると、また違った視点から新たな発見が見えてくるのではないでしょうか。

それではまた、次の用語解説でお会いいたしましょう。

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