あの時の:存在感
『あの時の』
やっぱり君はあの時のコバエなんじゃないかって思うんだけど、本当に違うの?
いや、そんな怒んないでよ。
どうしても、そうなんじゃないかって思ってしょうがないだけだよ。
ごめんごめん、ごめんて。
本当に違うのね?
あの時、腐ったバナナに集ってたコバエじゃないのね?
ああそう、
じゃあ、うん、分かった。
信じるよ。
不快な気持ちにさせてごめん。
『存在感』
チームスタッフを容赦なくクビにしていく彼女のその厳しさに驚きと恐怖しか感じない私は、
彼女の厳しさに触れないよう、存在感を消して過ごしている。
存在感なんていらないんだよ。
そんなものがあったら、すぐ目をつけられてしまう。
もう誰の視界にも入りたくない。
誰も私に気づくな。
居ないものとして扱え。
蚊やダニ、お前らもだぞ。
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