たこ焼き

君が上を向いて
顔にナメクジを這わせていた平和な昼。
かと思いきや、
君の顔に巨大な熱々のたこ焼きが落ちてきた。

という事態になったお昼。
全身、
巨大なたこ焼きの中に入ってしまった君は、
「あち! あち!」
とあちあちしながら、
巨大なたこ焼きを突き破って、
真っ赤っ赤の状態で出てきた。

あ~あ、可哀想に。
ただただ可哀想だ。
こんな可哀想な奴がいるんだな。
普通に火傷しちゃってるじゃないか。
あ~あ、とても可哀想。
可哀想以外の感想が出てこない。
本来なら水や心配の声を掛けてやるべきなんだろうけど、
どうしても僕は、
「可哀想……可哀想に」
って感じで君を可哀想な目で見てしまう。
それ以外のことは何もできない。
あ~あ、ほんと可哀想。
ナメクジ共々、ほんと可哀想。

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