ブルブルブルドッグ

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最近の記事

まるで太陽を割ったようなとろけるオムライス

たまにショート動画で流れてくる、バーテンダーが氷をナイフで削りまくってフランベみたいに机を燃やして白いモヤモヤの中から大さじ2杯くらいのカクテルを提出するアレ。 あれを見ると少し笑いそうになってしまう。 心の中の僕が、「はよ出せや」とバーテンダーにハリセンを叩きつけるのを想像してしまう。 ああいう「臨場感溢れるでっしゃろ?」みたいな店に僕は向いていない。 ストップって言うまで注がれるイクラやチーズも、わざわざ目の前で2等分されるハンバーグも、バーナーで炙る様子を見せつけ

    • 雑草の国

      好きなものはおばあちゃんとザリガニ。 (どちらも今となっては触れないよ) 僕は生き物が大好きだった。手のひらいっぱいに集めたダンゴムシ、田んぼに大量発生するオタマジャクシ、春長公園の近くにヤモリ、高砂の川を浮かんでいるカメ。でもどんな生き物も、「ギガザリガニ」には勝てなかった。 ある日、おばあちゃんちの目の前のドブで30センチはあろうザリガニを捕まえたのだ! そこはよくザリガニの取れるスポットで、スルメイカで釣るなんてまどろっこしい事はせずに、素手で鷲掴みにするのが僕の

      • 今日なかった事

        冗談というのは事実とは違うから冗談になる。 いちいち例をあげるのも恥ずかしいけど、、 例えば僕が高校生の時に「食べ盛りだもんね」と言われてもそれはジョークにはならない。 毎日カツカレーの大盛りしか食べなかった僕が、食べ盛りでなかったと言えるはずもない。 だけどこれが48歳になった時に「食べ盛りだもんね」と言われたら、それは冗談だ。 初老が食べ盛りな訳がない。 もう既にお腹は出ていく一方なのに、食欲は痩せ細りはじめている。逆に冗談だと思いたい。 僕の中の友人の定義は「今日

        • 雲を消す男

          入道雲が怖かった。 高い山々に囲まれた町で育った僕は、その山より遥か上から襲いかかる入道雲が、津波に見えた。 アナウンサーや先生たちは「30年以内に大地震がくる確率⚪︎⚪︎%」という意味があるのかないのか分からない予測を僕たちに教え込んだ。 そんな教育の甲斐あって、ただでさえ臆病な僕の「怖いものリスト」には地震と津波が追加され、入道雲もその隣に並ぶ事となった。 僕が小学生の頃の話だ。 詳しい時期は覚えていないが、僕の父親の精神状態が少しヤバかった頃、「俺は雲を消せる」といっ

        まるで太陽を割ったようなとろけるオムライス

          お香は聞くもの

          嗅いじゃうなぁ、お香。 だって匂いだもの、鼻から嗅がずどこで嗅ぐ。 でも本当は「お香は聞くもの」らしい。本当に耳で音を聞くわけではなく、クンクンと嗅がずに、静かに香りと向き合うべき、みたいな感じ。 匂いが思い出を呼び起こす現象には、「プルースト効果」という名前がある。 電車の中でおじさんの匂いが漂ってきて、初恋の記憶が次々と蘇ってきた時は死にたくなった。なんでそんな良い香りしてんだよ、なんでこんな懐かしいんだよ。オトナ帝国の時のひろしはこんな気持ちだったのか。 おじさん

          日本語で遊ばNight

          デカすぎる絆創膏からタトゥーがはみ出していたトラヴィス先生、元気かな。タトゥー、治るといいけど。 僕は違う言語を学ぶのが好きだ。 学ぶこと自体も好きなんだけど、違う言語の中に同じものを見つけられる事に快感を覚える。 例えば、 道路はロードだし、 通るところはルートだ。 母はママで、金はマネー。 靴はシューズ、もしくはブーツでもいい。 小さいワンワンはチワワで、 ベイビーはバブバブ。 ボクサーは撲殺するし ゴルファーはゴルファツする 後半苦しくなってきたけど、それでも

          幽霊になるなら

          幽霊が出るのは決まって、不気味な病院や、真っ暗なトンネル、誰もいない学校なんかだ。 僕が幽霊になるなら間違いなくそんな場所は選ばない。怖 い か ら ね 。 小学生の時、玄関から居住スペースのある2階まで繋がる階段が恐ろしく、毎回母親に出迎えにきてもらっていた僕だ。そんないかにもホラーな場所で人と会おうもんなら、おしっこが出ちゃうだろう。 「振り返ってみるとね…、幽霊が立っていた場所に…尿が!!!」なんて言われた日には、恥ずかしくて死んでも死にきれない。 じゃあ僕が死んだ

          一日分の野菜

          先日病院に行くと、「初診の方はこちらにご記入ください」と紙を手渡された。 住所、氏名、男、、花粉症、、、なし、、、、 ん? 当てはまるものにチェックを? 運動は、、まぁ、週4で筋トレしてるし?(20分だけど) 脂も塩も、好きかどうかを聞かれているだけであって食べるかどうかは別問題だ。 「あ、別に好きじゃないですけど、よく食べます。」これでやり過ごせる。 食事が不規則っていうのもなぁ。毎日不規則なんだから、それはむしろ規則的だ。ルールがないことがルール。こだわりがないこと

          ジャグリング・キャッチボール

          「会話とは言葉のキャッチボールだ」という人がいるが、これは言い得て妙だと思う。 まずは投げる言葉がボールなんだから、絶対に丸いほうがいい。角が立つなんて言葉もあるが、もし投げつけられたボールがトゲトゲの硬いやつだったら、伊藤四郎はすぐさま失神して「モヤっと」なんて言う暇さえないだろう。 たまに明らかにナイフの形したのを投げてくるやつもいるんだけど、飛ぶ斬撃なんてトリコとゾロと一護だけで充分です。 僕はキャッチボールがしたいんだけど!! ともだちになれそうな怖くないボールを投

          ジャグリング・キャッチボール

          部屋とYシャツと花嫁

          スーツって本当に苦しい!! 首周りは締め付けられるし、ほこりの一つも許されないし、革靴はサンダルに機能性で劣っている。そもそもYシャツはこんなに丈が長くなくていい。僕はもうパンツを履けるから、名残とかしきたりとかはこの際、取っ払ってしまっていいと思う。トイレに行きにくいんだよね。 ついでに言うと朝シャワーを浴びるのも苦手だ。大抵はアートな寝癖が完成しているが、芸術家は人々に理解されない。爆心地を一度水でリセットしてからセットしないといけないのだけど、起きてすぐ水に濡れ

          部屋とYシャツと花嫁