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コンパートメント No.6

寝台列車で繰り広げられる、男女のロードムービー
こちらは劇場で観てきました。

※以外ネタバレ含みます

コンパートメント No.6(2023)


私は冬より夏派です。


そんな私ですが、これを観終わった後は何だか冬が終わってしまう事が寂しく思えました。
物語は1990年代を時代背景に、恋人との旅行をドタキャンされてしまったフィンランド人留学生のラウラと
寝台列車で一緒になったロシア人の男リョーハとの出会い、
この旅での出来事が描かれています。

まず最初のリョーハに対するイメージは"最悪"でしたね。
ロシア自慢をしたかと思えば、ラウラに対して「売春してるのか?」と聞いてきたり、失礼極まりないと言った印象でした。

恋人と行くはずだった旅行が寂しい一人旅になったラウラには堪えるような旅の始まり。
だけどこれは最高な旅の始まりだったんですよね。

映画序盤での、リョーハに対するラウラの態度は「もう、勘弁してくれと」と言った感じ。
席を移動させて欲しいと女性車掌に伝えるも却下。
列車が一泊する所で、リョーハの知人宅に誘われますがそれも断るラウラ。

ここまででラウラは恋人にニ度電話しています。
一度目は、ラウラが恋人の元へ戻る事を決めた時。
二度目は、列車が一泊する際に。二度目では恋人に電話は繋がらず。
この二度目の電話の後に、リョーハの知人宅へ同行する事になります。同行し、楽しい夜を過ごした事で打ち解け始める二人。


列車内でタバコを吸うリョーハとラウラ
この時代って列車内でタバコが吸えるんですね、なんて羨ましい



恋人との距離が旅を通して物理的に離れていくのに対して、旅で出会った男リョーハと打ち解け、次第に心が近くなっていくこの対比が凄くじんわりときました。

物語が中盤に差し掛かると、困っていたラウラと同じフィンランド人男性をコンパートメントに招き入れた事でリョーハの態度が一変。
このシーンの時点で、リョーハに対する最初の印象からはガラリと変わり「何だこの少年のような男は…!」って悶えてしまう私がいました。
同じフィンランド人という事もあり、ラウラと男性は二人で盛り上がっているのですが
その男性がラウラのビデオカメラを盗んでしまいます。
恋人との大切な思い出の詰まったビデオカメラを盗まれ大号泣のラウラを笑わせたのがリョーハだったんです。
ここで更に二人の距離感がグッと縮まった気がしました…!

ラウラとリョーハ
スキンヘッドが素敵なリョーハさん


その後、ラウラは自分の付き合っている恋人の話をリョーハにし始めるんですよね〜ラウラの恋人が女性である事を知ります。
ラウラが同性愛者なのか、ラウラと恋人の馴れ初めなどは全く描かれていませんが
90年代・同性愛と自分にはちょっとホットなワードも、ロードムービーと一緒にスッと流れ込んでくるように入ってきました。

ラストについてはあまり詳しく書きませんが、似てないようで似ている二人が偶然か必然か?旅をきっかけに出会い、その出会いがお互いにとって人生の中に記録された、凄くノスタルジックな作品でした。

凍てつくよつな猛吹雪の中、雪で遊ぶ二人の姿が忘れられません。
上映後どうしてもパンフレットが欲しくなったのですが、
私の観に行った劇場では既に完売だったため…その日にポチッとメルカリで購入しました…。


ロサ・リクソムさんの小説が原作としてありますが、
残念ながら英語版しか無く…こう言う時に英語読めれば…!
なんてつくづく思います。
2023年の目標はやっぱり英語力を身に付ける事かもしれません。

ユホ・クオスマネン監督「オリ・マキの人生で最も幸せな日」も機会があれば視聴したいです。


個人的に劇中で流れていたこちらの曲が良かったです。



ここまで読んで頂きありがとうございます…!
二作品目について書きましたが、noteの機能の充実さに驚いております。

語彙力が小学生並みですが、Filmarksのリンクも貼っておきます。
ご興味ある方は是非チラッと覗いてみて下さい。

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