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【作品#46(24・25の間)】「一途」『青春 コレクションⅠ』より

こんにちは、三太です。
 
先週まではお盆休みでどっぷりと休みモードに浸かっていたのですが、ボチボチと仕事モードに戻ってきました。
ただ、今年は例年以上に休み明け初日がきつかったです。
頭がぼーっとしている感じでした。
きっと生徒達の中にもこんな感じの子もいるかもしれません。
皆でボチボチと2学期を始めていきたいと思っている今日この頃です。

では、今回は吉田修一さんの個人全集全四巻の一巻目にあたる『青春 コレクションⅠ』の単行本未収録作「一途」を読んでいきます。

初出年は2009年(1月)です。
これまで紹介した作品で言うと『元職員』と『キャンセルされた街の案内』の間に書かれた作品です。

文藝春秋の『青春 コレクションⅠ』で読みました。


あらすじ

吉田修一さんの個人全集である『青春 コレクションⅠ』に収められている「紙吹雪」「命綱」と話が繋がっていました。
この3つは合わせて恋愛短編3部作と言ってもいいかもしれません。
特に「命綱」とはスピンオフの関係にあります。

「命綱」の主人公杉浦公平が想いを寄せていたコンビニバイトの男の子、宮田くんが主人公であるのが、今回の「一途」。
そのため「一途」では「命綱」で公平目線で描かれていた公園のシーンなどを宮田くん目線で味わうことができます。
タイトルは「一途」ですが、宮田くんのあだ名は「夜這いの宮田」。
その宮田くんがコンビニのバイト仲間の保奈美とディズニーランドにデートに行くお話です。

出てくる映画(ページ数)

今回はありませんでした。
 

感想

スピンオフはたまらないですね。
宮田くん、こんな状況だったんだ、こんなこと考えてたんだということが読めて、それだけで楽しめました。
終わり方で言うと、どちらかというと前2作よりかはすっきりしていなくて、捉え方が難しいところがあるように思いました。
逆に言うと、自分からしたらちょっと解釈を迫る終わり方がいつもの吉田修一作品に近いなとも思えました。

それほど長い作品ではないので、スラスラスラと読めます。
けれども、随所に前2作との繋がりがあり、そこが楽しめるポイントでした。
公園での杉浦との出会いもそうですが、コンビニで雑誌棚へ滑り込んだエピソードは「紙吹雪」にも描かれていました。
もちろん東京ロミオも出てきて、今回紹介される曲は「一途」でした。
ぜひ3部作として読みたい作品です。

秋うらら君のこと知るスピンオフ

以上で、「一途」の紹介は終わります。
吉田修一さんの作品には珍しいスピンオフ作品でした。

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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