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泣きっ面に天使

こんばんは。栗山ゆかりです。

昨日と打って変わって、今日は夏日でしたね。
先ほど帰宅しましたが、いまだに腕がほてっています。
水筒のお水、自販機のペットボトル、ファストフード店のMドリンク、喫茶店のアイスコーヒーにお冷、いろいろ飲んだけど全然足りてません。
先ほども栄養ドリンクを摂取!
無駄遣いはNGですが、健康維持、特にこの時期は油断禁物ですね。

今日は昼間、友達と待ち合わせである場所に行く予定だったのですが、あちらの家庭の事情により、急遽場所を変更。

とはいえ、ざっくり「新宿のあのへん」と把握していたので、割と余裕をもって電車に乗って、ロングスカートをはためかせて向かいました。

で、友達からこの近くだよ!と送ってもらった地図を見た私。

「・・・」

アレ?

思ってたんと、違う。

目印として指定してもらったお店、私が思ってたのとは別の支店だった。
目と鼻の先と思って歩いてたけど、顔どころか私の全身3つ分より、遠そうな雰囲気。

だって、町名も違う。
最寄り駅も違う。

ちょっと青ざめつつ、Google先生に相談。結果、分かったのが、

現在地から徒歩22分の場所であるという事。

本来、間に合わせたかった時間も、22分後。


まじかーい!!!

22分と言いつつ準備もあるから前倒しで5分は稼ぎたい。
もう、走るしかない。

ロングスカートをはためかせ、PCと水筒と本でそれなりに重い鞄を抱えて、走る走る。

どうしてこうなった。

いや、原因はわかる。
私の考えが足りなかった。見立てが甘すぎた。
でもとにかく走りまくってたから、今は改善点を探す前に、目的地に1分でも早く着くのが最優先!!

走って走って、汗だく。
何やってるんだろうと思って、汗に涙が混じってきた。

もう嫌だ、なんでこんな目に。
いや、私のせいだよ。わかってるよ。
でももう嫌だ。

と、思っていた矢先。
走る私の脇ををゆっくり自転車で追い越しながら、通りすがりのおじちゃんが

「すごい走ってるね~」
と声をかけてくれた。

こんなとき、たとえピンチだろうと、話しかけてくれる人の存在ってありがたい。
一人じゃないって思える。

「そうなんですよ~!」
汗だくの笑顔で答えながら走ってる私。

「汗すごいよ。何か用事?」

「そうなんです~!待ち合わせで、遅刻するわけにいかない感じで!」

「そっかあ、気を付けるんだよ~!!」

もうこの会話だけで、充分救われていた。

信号待ちの後、別の方向に走っていったおじさん。
また走り出す私。

数分後、見覚えのある自転車が、また現れた。


「どこまで行くの?乗せていくよ」


先ほどのおじさんが、天使になって帰ってきた。

「え、いや、大丈夫です!あともう少し、まっすぐ行くだけっぽいんで!」
「いやあ、だったらなおさらだよ、乗りな」

そして、耳をすませばの聖司くんと雫ちゃんスタイルそのままに、私と天使おじさんは、住宅街を走り出した。

おじさんはこの近くの別の町に住んでいて、今日は休みでふらっと出かけていただけだから、気にしなくて大丈夫だよ、と。

本当かもしれないけど、気を遣ってくれてたと思う。

汗だくでどうしようもなかったけど、おじさんの後ろに乗っているうちに、風の心地よさに気づいた。

夏の昼間の大都会。
の中の、住宅街。
自転車だと、こんなに気持ちいいのか。
ていうか自分で漕いでないしね。

快適な移動開始から数分後、Google先生が示した場所にたどり着いた。

けど、これまたなんか違う。
どうみても、友達が指定したお店は、ない。
お家しか、ない。

再度友達に電話して確認すると、Google先生も夏バテしてたらしい。

場所、違った。

なんなら、おじさんと私が一度別れた、あの信号のそばだった。
気づいてれば、おじさんの自転車の後ろに乗ることは無かった。

え、、気まずっ

だがしかし。
ここでも天使だったおじさん。

「ああ、ひとつ前の通りだね、いいよいいよ、乗りな~」

嫌な顔一つせず、また乗せてくれた。

乗せてくれた道を、ほとんど綺麗に引き返した。
途中で一度だけ曲がったけど。

やっと目的地について、
本当にありがとうございました!!!と、お礼を言いまくる私。

「なんかお飲み物でも買ってきましょっか?」
「いやいや、自分が飲みなよ。」

何度も、ここで大丈夫?と確認してくれた天使おじさん。
その後天使は、颯爽と大通りを去っていきました。

ここでも詰めが甘かった、私。
「買ってきましょっか」なんて聞かずに、その場の自販機ですぐに飲み物を買って、無理やりにでも渡せばよかった。

天使は、自分から、私に何かを求めたりしなかった。
ただただ、与える人だった。

逆の立場だったら私は天使になれただろうか。

あっつい真夏日の昼間、見ず知らずの、汗だくの人を自転車の後ろに乗せるだけの余裕があっただろうか。
断られるかもしれない恐怖に負けずに、自分から声をかけただろうか。

天使おじさん、今日は本当にありがとうございました。
結局、理想の時間には合流できなかったけども、友達には無事に会えました。


またあの近くを歩くことがあったら、自転車に乗ったおじさんを探します。
見つけたら、ジュースでもお菓子でも、なんてことない雑談でも。

おじさんが喜んでくれることを、させてくださいね。








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